立山砂防軌道



撮影日=昭和52年 8月 10日(水)







前日は丸一日をかけて東洋活性白土で撮影。
その夜はどう過ごしたのか、例によって不明です。
10日と11日は千寿ヶ原に滞在し、立山砂防軌道を撮影しました。
駅前の民宿、千寿荘に泊まったのはハッキリ覚えていますが、
もしかすると前日夕方に移動して来て、二連泊しているかも知れません。
…いや、違うかな~?
また『立山・敦賀作戦』だったような…(苦笑)


ボクが最初に立山砂防軌道を撮ったのは、前年の夏でした。
その時は尾小屋鉄道など、他と掛け持ちでしたので、
千寿ヶ原に居たのは僅かな時間。
それに悪天候で、マトモな写真が撮れていません。
『今年こそは!』
との思いで来たものの、初日はまたもや雨…(+o+)
ホント、ついていなかったのかも知れません。

が、この二日間は何とか撮影出来ました。
千寿ヶ原から軌道沿いを歩き、津之浦鉄橋などで撮影。
その先も頑張って、中小屋の少し手前?あたりまで行っています。
あと、対岸の山道を2~3kmくらい歩いているでしょうか?
常願寺川越しに、苦し紛れのアングルで撮影しました。
それでも自分なりに努力していたんだと思います。

特筆すべきなのは11日の行動です。
小口川資材運搬軌道を探索しに出掛けているのです。
あの頃は情報が全く無く、国土地理院の地図だけが頼りでした。
存在しているか否かも不明なまま、訪問しています。
なんという無謀な行動でしょう。
若さゆえ…、そう言ってしまえばそれまでですが、
当時は真剣で夢中だったんだと思います。
結果は…
散々でしたが…



さて、8月10日の撮影行動です。
ネガのコマを追うと、前日の活白の次に写っているのは
千寿ヶ原~中小屋間の下り空車列車でした。
朝の資材列車の折り返しでしょうか、
時刻にして、恐らく8:30頃か…?
仮に急行『立山』で来たとしたら、地鉄立山駅の到着は6:47です。
この時刻に着いていたのなら、出発してゆく資材列車も撮っているはず…
やはり宿泊し、ゆっくり朝飯でも食べていたようですね(笑)
千寿荘はスイッチバックの直ぐ横にありますから、
上ってゆく列車を窓から見て、慌てて行動開始したのでしょう(・_・;)
そう考えるとつじつまが合います。

※上り列車(千寿ヶ原→水谷方面) 下り列車(千寿ヶ原行)











歩いている途中に来た下り列車。












津之浦鉄橋で待つこと暫し、下り列車がやって来ました。
鉄橋にさしかかります。
この後ろ姿、好きになれなかったなぁ…
林間を走り抜けてゆきました。










立山砂防軌道は、起点の千寿ヶ原を出ると、直ぐに4段スイッチバックにさしかかります。
昨年は、このスイッチバックで撮っただけでした。
今回、初めて4段スイッチバックの最上部から先の軌道へと進入!
随一の長さである津之浦橋で、上りの列車を待ちました。
立山砂防軌道には、沢に架かる短い鉄橋は多くありますが、
長いのは津之浦橋と桑谷橋(当時)の二つだけです。




暫くすると…











背後から下り列車が来ました。
朝一で上った列車が戻って来たのでしょう。
これが結構な速度で走って来るのです。
津之浦橋を渡ってゆきました。







空の貨車を重ねて回送していますね。
軽いと脱線し易いのかも知れません。
少しでも重みをかけるため?
それとも戻したい貨車が多いから?
その辺は聞いていないので定かではありません。









上りの列車が来ました!
望遠タテ位置で撮って…















ブローニーでキメて…














最後はワイドで…(^_-)-☆






あ~忙し(笑)








おっ!
また来た!







んっ!? 客貨混合?(笑)
資材列車は基本的に続行になることが多かったですね。
轟音と共に接近してきます。
うぉ~っ! オバちゃん満載~!
なんとも気持ち良さそうなオープン列車!













おっ! この場所いいかも(*^^)v













四段スイッチバックから見下ろした千寿ヶ原構内。
右端は営林署の敷地です。
人車列車の出発準備が進められています。
ダイヤに無い下り人車が到着。
定刻では9:50発です。
活気に満ちた構内。













『乗りたいなぁ~』 この時は指をくわえて見ているだけでした。








立山砂防軌道ではダイヤが設定されていましたが、
それはあくまでも基本的なもので、実際の運行では異なる点が多かったです。
その中で人車だけはほぼ定刻、予定通りに運行されていました。





そもそも立山砂防軌道の列車は、大別すると
①砂防工事事務所管轄の列車
②下請業者の資材等輸送列車
の二種類があります。

そのうち、定期の人車とモーターカーは①です。
運転するのは砂防事務所職員で、主に職員や視察客の輸送が目的です。
もちろん下請会社の従業員も利用することが出来ます。
利用者が多い場合には続行運転になることもありました。
モーターカーは便宜上ダイヤの設定があるものの、
この通り運転されることは殆どありませんでした。
また、水谷出張所などで急病人が出た場合にも
モーターカーが運転されていました。
実際、深夜の千寿ヶ原でモーターカーが下りて来たのを見たことがあります。
ただ、この際に運転していたのが何処の職員なのかは不明です。

その他の列車は②です。
運転士は下請会社の従業員で、当時はヘルメットもかぶらず完全な私服でしたから、
役所の列車とは一目で区別がついたものです。
下請業者従業員用の人車が運行されることもありました。
ですが従業員の移動は、資材列車の荷の上に乗るのが日常的でしたね。
貨物列車を分類すると建設資材と雑貨の二種類があり、
前者は一日を通して、後者は午後に運行されていました。
下り貨物は、ほぼダイヤ通りに千寿ヶ原を出発していました。
沿線作業の状況により、更に早い時間帯から出発したり、
荷量が多い場合などには4~5列車が続行になることもありました。











軌道を守る社を横目に、人車列車がスイッチバックを登ってゆきました。








スイッチバックには斜面を短絡する歩道があり、
そこを歩くと列車より早く上の段へ到達できました。







二段~三段目に先回りし、待ち受けました。
DLに乗っているのはポイント操作係です。
役所の人車なので、いでたちも制服+ヘルメット。
人車の後を追って資材列車が出発しました。











人車~資材の続行











役所の人車が出発すると、千寿ヶ原構内には暫し静寂が訪れます。
退屈なので、構内を探索してみました。






木造車庫のいちばん奥には加藤が居ました。
トロ鉄垂涎の的!
こちらは堀川工機。
乗っかって記念写真撮ったりして…(笑)







そしてこの後、構内に同居する富山営林署の車庫に眠る
松岡産業製DLとの対面が実現しました!
その様子は こちら から(^O^)/









列車の出入りが無い時は至って静か…
何やら色々と積んだ列車が帰って来ました。
酒の空き瓶、ガスボンベ?、空ドラム缶。
構内へと進入します。
右の木造建屋が営林署の車庫。
DLを反対側に付け替えて入換作業~








お昼は何を食べたのでしょう?
全く覚えていません…

で、午後の貨物を撮影するため、再びスイッチバックを登りました。







構内では2両の酒井が入換を続けていました。








この時、具体的な撮影ポイントを把握せずに歩いていたような気がします。
当時のことは失念していますが、事前に撮影地を決める程の情報は無かったですから。
津之浦橋梁の先へ行けば、きっと良い場所があるに違いない…
…くらいのアバウトな考えだったと思います。









崖にへばりつくように進む列車





このシーンは軌道上から撮ったものだと思います。
トロッコ音がし、振り返ると崖づたいに走る列車が見えたのでしょう。
そのことはなんとなく覚えています。








その列車の後追いかな?
ワサビ谷橋梁。








岩をくり抜いたトンネルで列車を待ちました。
上の写真の二本は、恐らく資材列車の増発でしょう。
雑貨のダイヤよりもずいぶん前に来たような気がしますので。














来ました!
















もう一枚!








大きな岩を貫く素掘りトンネル。
立山砂防軌道らしい光景ですね。


このシーンには大いに満足し、ゴキゲンで帰路についたことを覚えています。



詰めが甘いな~
と思うのは、軌道の撮影はここまでだったこと。

おいおい! 戻って来る列車も撮れよ~!
と言ってやりたいです(ーー゛)
















そのくせ『北アルプス』なんか撮ったりして…(笑)










折り返し『アルペン特急』になります。隣は急行『むろどう』。







当時の時刻表によると、『北アルプス』の到着は14:53、
『むろどう』の発車は15:14です。
ネガを見ると、この次の写真はもう翌日でした。
早々に民宿千寿荘に帰ったのでしょうね(苦笑)









撮影を終えて…








【1977年 8月 10日撮影】







ペンタックスMX



ペンタックスSP-F



マミヤC330 Professional F















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