立山砂防軌道の撮影が一段落し、千寿ヶ原構内を探索している時でした。
怪しげな古めかしい木造車庫。
トロ鉄ならば、誰もがクサイと感じるオーラを発しています…
それは砂防軌道のヤードとは隔離された一帯にある、営林署の敷地内にありました。
扉は閉ざされていましたが、朽ちた材木の隙間から中を覗くと…
そこには2両のDLが居ました\(^o^)/
明らかに砂防軌道のDLとは違うスタイル、そして車体色も薄オレンジ。
こいつを間近で見てみたい!
見つけた瞬間、そう思っていました。
さっそく隣の事務所を訪問。
看板には『富山営林署 常願寺治山事業所』と記されていました。
営林署のDLと聞いただけでテンションMax!(笑)
トロ鉄仲間なら、その気持ちがお分かりでしょう。
先ずは当方の意図、そして希望を伝えました。
詳しいことは失念しましたが、単純に見学と撮影を希望しただけだったと思います。
先方は快諾してくださり、案内の方と共に車庫へ。
『すいませんね~ お忙しいのに…』
と、お決まりのワザとらしい発言をするボク(^-^;
南京錠が外され、扉が開きました。
真っ暗だった車庫内には、一気に光が射します。
おー! 会いたかったよ~松岡クン!
2両のDLとご対面です(^_-)-☆
がっ…
扉を開けてもらい、それだけでは満足しなかったボクは
『これ、外に出していただけませんか…?』
という図々しいお願いをしてしまいました。
(・_・;)
案内の方はイヤな顔ひとつせず、外してあったバッテリーターミナルを繋ぎ、
キーを持ってきてイグニッション・オン!
が…、反応ナシ((+_+))
別のバッテリーに繋いでもダメでした。
エンジンがかからないので、外に出すのは諦めたのですが、
案内の方は『押して出そう』という提案を。
え~そんなに煩わせてしまっては申し訳ないですよ~
と言いつつも押す体勢になるボク(笑)
しか~し、二人がかりで力いっぱい押すものの、なかなか動いてくれません。
どうやらサイドブレーキが固着していたようです。
何分かかったのでしょう、DLがお天道様の下に出るまで。
二人とも汗だくでした(゜o゜)
あの時の職員さん、本当にありがとうございました。
車庫にあったDLは、2両とも松岡産業製でした。
台枠にはローマ字で『MATUOKA』の浮き文字があります。
重量は恐らく5トンではないかと。
製造年、経歴などは一切不明です。
この2両、スタイルが全然違いました。
外に出した方は番号が無く、スタイリッシュなラジエーターグリル、
長いステーのてっぺんに付けられた前照灯が特徴的な好もしい形態。
エンジンは三菱の四気筒ディーゼルが搭載されていました。
ラジエーターグリルの上方には、チョークで『水ナシ』と書かれています…(・_・;)
なので、エンジンかけちゃったらマズかったかも知れません。
もう1両はNo.41という番号が付いていました。
正面が車庫の奥にピッタリと張り付いていたため、
ちゃんと撮影が出来なかったのが残念。
さすがに『これも出して!』とは言えなかったようです。
キャブの後方は改造されたようで、台枠からはみ出しており
更に斜めに出っ張ったヘンテコな形になっていました。
キャブ内の居住性を改善したのでしょうか…?
案内の方は
『これはガソリンだよ』
と仰っていたので、それが本当ならGLということになりますね。
ならばエンジンとかをチェックしろよ~!
というツッコミを37年前の自分に入れたくなります(苦笑)
撮影したのは僅かなシーンでした。
でも、今となっては貴重な記録。
それも、ブローニーで撮った鮮明な画像をご紹介しましょう(^_-)-☆
勿論リサイズはしていますが…
出たぁ~\(^o^)/
萌えるスタイル❤
今にも動き出しそうなエンジン
もう1両の松岡は押し込められていました。 | |
拡大改造を施されたと思われるキャブ。 |
模型化したい…
現役の頃に出会いたかった…
かつては松尾谷まで走っていたのか…?
水谷以遠の営林署軌道を行き来していたのか?
インクラインを登り降りしていたのか…?
謎の松岡ブラザース。
この車庫で二両の松岡を撮影したのは、これが最初で最後でした。
翌々年に車庫内を覗くと、中は空っぽ。
更に次の年には、車庫も無くなっていました。
行方不明の松岡ブラザース。
元気に走っていた頃を見たかったなぁ…
【1977年 8月 10日撮影】
マミヤC330 Professional F
ペンタックスMX
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