立山砂防軌道は鉄道ファンの間で古くから有名であったが、
近年では一般の人々にも広く知られるようになった。
恐らく立山カルデラ砂防博物館が竣工し、
体験学習会でトロッコに乗車できるようになって以降のことだと思う。
ウェブで「立山砂防軌道」と検索すると、様々な情報を見ることが可能だ。
Youtubeには体験乗車で撮影された映像がアップされているし、少なくともネット上では非常に身近な存在である。
鉄道趣味界に於いても、更に知名度が上がったように思う。
前述の経緯(① トロッコ趣味界の革命)でトロッコ趣味が広まったことで鉄道誌への掲載も増えた。
過去のトロッコ、狭軌機関車などの専門書では常連のようにページを飾っていたのだが…
不思議なことに立山砂防軌道の単行本は、これまで存在しなかったのである。
なぜだろう…?
出しても売れない?
お役所の鉄道だから色々と制約がある?
有名なだけで実は好む人が少ない?
定かではないが、とにかく立山砂防軌道の単行本はなかった。
2020年12月初頭、ボクはある方からいただいたラッキーヱビスを呑んでいた。
ヱビスビールのラベルには七福神の恵比寿様が描かれている。
恵比寿様は大きな鯛を抱えているのだが、
数百分の一の確率で後方の魚籠から鯛の尾っぽが見えているもの、
すなわち二匹の鯛が描かれているラベルがある。
そんな確立だから、遭遇した人は超々ラッキーなのである。
しかしボクが呑んでいたのは
10本入りギフトに2本のラッキーヱビスが入っているという確率「5分の1」のラッキーもどきなので、
残念ながらご利益は期待できないだろうと思っていた。
ところが翌日、ラッキーヱビスのご利益的なメールが着信した。
送信者はモデルワーゲン社主の森川幸一氏である。
(以下・原文)
おはようございます。
ふと浮かんだアイデアですが、立山砂防軌道の本って今までにないですよね?
青森さんに写真を提供して頂けるというのが前提になりますが、出してみましょうか?
勤務先ではあったが、狂喜乱舞したのは言うまでもない。
が、冷静を装いつつもメールでのやり取りが続いた。
その話はトントン拍子で進み、知らず知らずのうちに原稿を書いていて、
気がつけば台割をつくっていて、また気がつけば写真の選択をあーだ こーだやっていて、
更に気がつくと割付の打ち合わせをし、またまた気がついたら校正が出ていたのである。
果たして書籍「立山砂防軌道」が本当に誕生してしまった。
トップに戻る
ナロー軌道目次に戻る
次のページへ