トワイライトエクスプレス

Twilight Express







室蘭本線 大岸~礼文間 8002レ  2014.8.8









経路






トワイライトエクスプレスは、東海道本線、湖西線、北陸本線、信越本線、羽越本線、奥羽本線、
津軽線、海峡線、江差線、函館本線、室蘭本線、千歳線を経由して、大阪~札幌間を結んでいた。
走行距離は8001レが1495.7km、8002レは1508.5kmである。
上下列車で距離が相違するのは、函館本線の七飯~森間での経由路線が異なるためだ。

8001レは、七飯~(藤城線)~大沼~(駒ケ岳)~森という経路だが、
8002レは森~(砂原線)~大沼~(仁山)~七飯を通る。
藤城線は、下り列車に対する登り勾配を緩和するために敷設された。
距離も仁山経由よりも短いため、下りの優等列車と貨物列車は藤城線を経由している。
一方の砂原線は上り列車の勾配緩和のために計画され、既存の渡島海岸鉄道を買収して敷設された。
こちらは駒ケ岳の勾配区間を迂回するため、本線よりも距離が長くなった。
気動車の高性能化により、現在の特急列車は砂原線を通らず、勾配区間の駒ケ岳経由で運行されている。
しかし、貨物列車は登り勾配の影響を大きく受けるため、砂原線を経由して迂回している。
それでは何故、8002レは砂原線を経由していたのだろうか。
これには諸説あるが、ひとつは運行上の理由、もうひとつは乗客へのサービスではないかと思われる。

8002レは、洞爺で後続の5012D「北斗12号」に追い抜かれ、
両列車は数分程度の間隔で五稜郭方面に向かうダイヤとなっていた。
5012Dと8002レが森を過ぎ、大沼に至る時間帯には、
対向列車に5013D「スーパー北斗13号」と、高速貨物93レがある。
森~大沼間は単線であるから、上下二本の列車同士を交換させなければならない。
立て続けに来る優等列車の存在は、ダイヤ作成上難儀なもののはずだ。
また、遅延が発生した場合を想定すると、より面倒な事態が予想されるだろう。
そこで8002レを砂原線に迂回させる。
そうすれば、交換するのは5012Dだけで済むという訳である。
仮に8002レを駒ケ岳経由にする場合、8002レが姫川で5013Dを退避するか、
5013Dを駒ケ岳で10分くらいの停車時間にして、5012Dと8002レを待つか、どちらかになるものと思われる。。
前者の場合、8002レは更に93レと823Dとの交換が必要となり、かなり面倒である。
後者では5013Dの速達性が劣ることとなり、これまた問題であろう。
こうした条件を鑑みると、8002レの砂原線経由は妥当なものだと考えられる。

砂原線は駒ケ岳の海側を通る路線でもあり、他の特急が経由する本線からとは違う車窓が楽しめる。
薄明時間帯にもあたり、少しでも長い間内浦湾沿いの景色を提供したい。
これらも、8002レが砂原線を経由する理由だと想像できる。
ちなみに深夜に通る202レ「はまなす」も砂原線を経由している。
これも同時間帯に201レ「はまなす」と、二本の貨物との交換が必要となることから迂回しているようだ。

他にも、新疋田~敦賀間で8002レだけがループ線を経由するという相違点があるが、
こちらの場合は同区間での上下線という扱いなので、前述の例とは異なる。
























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