肥薩線


 SL人吉




撮影日=平成23年 7月24~25日(日・月)








前年夏に熊本~人吉間を乗車し、蒸気機関車を初体感した鉄娘Marippe。
その時は駅撮りだけだったのですが、
『今度は走っている姿を撮影したい❤』
などと申しておりました。
秋には大井川鉄道で『走り』の撮影に初トライ。
まあまあの成果で、本人もまんざらではなかったようです。
ここで鉄親バカの本領発揮!
中古ですが、デジイチを買い与えました。
マジで撮るなら、これでやってみなさい!
っちゅう訳です。

Marippeのデジイチデビュー戦が肥薩線でした。
この年の帰省ではJR東海ツアーズ企画の新幹線+ホテル一泊のフリーツアー、
『ぷらっと九州スペシャル』を利用、確か大人で37000円くらいでした。
東京から博多乗り換えで鹿児島中央まで約7時間。
昔では考えられない到達時分です。
が、新幹線オンリーでの鹿児島は、チト退屈でした。
やっぱりブルトレの方が楽しめます。
鹿児島に着いたのは土曜の午後で、宿泊は高見馬場の法華クラブ。
チェックイン後にドルフィンポート併記、散歩して夕食を摂りました。

翌朝、Marippeとボクはホテルを出発し、天文館のバス停へ。
ここから高速バス『きりしま号』に乗りました。
実は高速バスが大の苦手なのですが…(*_*)
その辺の詳細、旅の様子は拙ブログにてご覧ください。

とりあえず人吉ICに到着~(笑)
ICにはトヨタレンタカーの送迎車が待っており、それに乗って人吉市街へと向かいました。

当初、鉄道利用+徒歩での撮影も考えたのですが、
なにしろ本数が少なくて移動に不便極まりない(-_-メ)
また、真夏の炎天下での徒歩行動は、小学生の娘には厳しかろうとも思いもありました。
加えて『SL人吉』は途中で数分停まる駅があり、
クルマならば追い抜けるかも…という目論みもありました。
効率と安全を考慮すれば、レンタカー選択はごく自然だったと思います。

レンタカーはトヨタbB。
先ずはナビに事前調査しておいた撮影ポイントを入力しました。
そしてロケハンと所要時間の計測を兼ねてbBを流します。
肥薩線の人吉~八代間では、殆どの区間が国道219号線が並行しています。
交通量も少ないので移動は楽々、これなら追い抜きも可能なようです。

先ずは第一球磨川鉄橋を219号線から狙おうと待ちました。
が、定刻になっても8241レは来ません。
結局3~4分は遅れたでしょうか、程良いケムリと共に走り去りました。














鎌瀬~瀬戸石間 ❤Marippe❤






デジイチデビュー第一弾!
いい感じで撮影出来ましたね(^O^)/


ケムリの残り香が消えぬうち、速攻で移動します。
運悪く法定速度以下で走行する軽自動車に行く手を阻まれ、少々苦戦(ーー゛)
それでも海路付近では、川向うを走るハチロクと暫し並走状態となりました。
白石駅には、ほぼ同時到着。














白石駅 ❤Marippe❤






白石駅では通常5分停車です。
旧い駅舎や汽車を見物しようと、乗客がゾロゾロ降りて来ています。
しかし遅延していたため、この直後車掌が直ぐに車内へ戻るよう促していました。
















白石駅 ❤Marippe❤







発車を見送り、再び移動です。
8261レは次に停まる一勝地では10分間の停車時間があり、また抜くことが出来ます。
それに途中の球泉洞付近ではトンネルのバイパスがあるため、
鉄道よりも近距離で到達出来るので時間短縮にもなるのです(^O^)/
追い抜き楽勝!
かと思いましたが、bBが一勝地駅前を通過した時に8241レが到着しました。
汽車は意外と速かった…(゜o゜)
運転時分と距離で計算すると、SL人吉の平均速度は66km/h。
思ったよりも俊足なんですね…。












一勝地~那良口間 ❤Marippe❤














一勝地~那良口間 ❤Marippe❤









これにて本日の8261レ撮影は終了。
近くに『日本の棚田百選』にランクされた棚田があるそうなので行ってみました。












松谷棚田です!









日本の原風景、美しいですね。




bBで移動し、人吉へ行きました。
ここでランチタイムです。






明治31年創業という老舗蕎麦屋です!
かしわそば
ざるそば
並そば
旨い蕎麦でした♪







丸一そば屋、お勧めです!
人吉に行ったら是非お立ち寄りください。







旨い蕎麦に満足し、人吉駅に行ってみると…










ハチロクが出区するところでした… ❤Marippe❤







熊本へ帰る8262レは一勝地で14分、白石で5分、坂本で8分の停車時間があります。
まさに『追っかけ撮影してください』と言わんばかりのダイヤ設定!(笑)
これを最大限利用したいところですが、ちと不安な面も…

撮影のメインになるのは鎌瀬の鉄橋です。
先程現地周辺をロケハンしたところ、クルマの駐車スペースが限られていました。
慌てて到着しても、停めることが出来なければマズいこととなります。
人気のある撮影場所だし、大勢が詰めかけていると行動しづらいかも知れません。

ここはひとつ、無難な策でゆこうかと。
パーフェクトだと四箇所で撮れるところを三箇所に減らしました。
その分鎌瀬には早く着きますから、駐車~移動~準備も余裕で出来るはず。






先ずは渡駅を出て直ぐの鉄橋です。








渡~那良口間 線路際でMarippeが撮影中!

















渡~那良口間  ❤Marippe❤







この後、鎌瀬へ直行しました。


8262レ通過の約30分前に到着。
予想に反して鉄チャンの姿は少なく、鉄橋を正面から狙う場所に2~3人居たくらいです。
暫くすると鉄橋の下をくぐる道に二名程が登場。
鉄橋を見下ろす小道、ボクたちが陣取っていた場所には後から一人が来ただけでした。















瀬戸石~鎌瀬間 ❤Marippe❤
















瀬戸石~鎌瀬間





第一球磨川鉄橋は、明治41年に肥薩線敷設中に架設されました。
ニューヨークのアメリカンブリッジ社が製造したトラス橋で、
経済産業省の近代産業遺産に指定されています。
渋い鉄橋には旧い汽車が似合いますね。
客車は旧型車に替えた方が、もっと見栄えはするでしょうね。
いくら『レトロ調』と言っても、不自然さは払拭できませんから…








ささっと片づけをして、bBで先を急ぎます。
が、難儀しました。
球磨川に並行する国道219号は、鎌瀬駅と撮影地の対岸を走っています。
なので坂本方面に移動する場合は川沿いの小道をゆく訳ですが、これが狭くて走りづらい!
途中、一台分の幅員しかない箇所もあり、スピードも出せません。
距離周りに時間を要し、坂本駅前を通過したのは8262レの出発寸前でした。













坂本~段間  ❤Marippe❤






場所の選択も出来ず、線路際で何とか撮影…

地図を見直してみたところ、鎌瀬から約1km人吉方面に戻り、
219号に入った方が順調に移動できたようです。
または葉木の先、荒瀬ダムの上を渡って219号に出るとか。
とにかく川沿いの小道を使っての追っかけは危険でダメですね。


これをもって本日の撮影は終了です。
今夜は一勝地温泉に泊まります。







宿の外観を撮り忘れたという…(*_*)



「一勝地温泉かわせみ」さんにお世話になりました。
周囲はとても静か、長閑な山間です。





夕食~♪

先付
酢の物
天ぷら
鮎の塩焼き
鱧とじゅんさいの吸い物
デザート
Marippe(笑)






とても居心地の良い宿でした。


翌朝、早々に行動開始して朝風呂、朝食を済ませて8:30頃に出発。





芋川に架かる橋詰橋
二日間を共にしたbB
左後方に「かわせみ」
棚田の石垣
一勝地の焼酎蔵
球磨川の清流







今日の8261レは海路付近の球磨川対岸から撮ろうと決めていました。
昨日もクルマで通った時に場所を確認しましたが、今朝は実際に駐車し、降りて現場を見てみました。
3箇所確認し、撮影場所を決定したのは9:30前くらいでした。
クルマの駐車スペース、撮影の足場もOK!
今日は風がないので川面に波が立たず、鏡のようになっているので期待出来ます。
あとは8261レを待ち受けるのですが…。

8261レが来るのは11時過ぎ、こんなに早くここへ来たのには訳があります…。

昨年夏『SL人吉』に乗車した際に存在を知り、その後色々と調べてゆくうちに、
『機会があったらぜひ訪れたい…』と、思っていた所。
そこを訪ねるために時間を作っておいたのです。








球磨川最後の渡し船






かつて、球磨川には多数の渡し船があったそうです。
しかし寄る年波、橋の竣工やモータリゼーションなどで需要は無くなり、
球磨川に点在した渡し船はたった一つを残すのみとなっていました。
存在を知ったのは昨年の夏、SL人吉に乗った際の案内放送。
それから色々と調べてゆくにつれ、是非訪れたいという気持ちになっていったのです。






船頭の求广川八郎さん
さあ!船が出ますよ!
船小屋から川へと向かいます
船は竹ざおで留めてあります
よっこらしょ…と








求广川さんの渡し船は、球磨郡楮木地区と対岸の瀬戸石駅を結んでいます。
突然の訪問にもかかわらず、求广川さんは色々とお話をしてくださいました。
昔は村や町、駅がある所には多くの渡し船があったそうです。
それが橋が出来たり、過疎化で人が減ったりして需要が無くなり、渡し船は徐々に姿を消してゆきました。

『今は学生さんでもバイク乗るからねぇ…船には乗らなくなった…』
と、仰る求广川さん。
年々利用客は減少し、現在では日に3~4人だとか。
それでも何時来るか分からないお客を待ち、朝6時前から日暮れまでこの小屋にいらっしゃるそうです。

船は常に楮木側にあり、村から駅へ向かう人は船小屋を訪ね、
駅から乗りたいお客さんは川越しに大声で求广川さんを呼びます。
料金は地元の皆さんは無料、ビジターは片道150円。

娘もボクも乗ってみたくて仕方なかったので、船を出していただきました。
瀬戸石駅に行きたい訳ではないので『特別周遊コース』を依頼(笑)
それでも求广川さんは片道分で良いと仰います。
それでは申し訳ない…と、往復分を差し上げました。
ちなみに子供は万人が無料だそうです。









貸切だぜ!















球磨川遊覧  ♥Marippe♥















御年83歳!(当時) ♥Marippe♥










求广川さんの渡し船には色々な意味で感動しました。
素晴らしい思い出をありがとうございます!














求广川さんの渡し船、翌2012年に再訪いたしました。
その様子はこちらをご覧ください。



そして…
その記事を偶然ご覧になった求广川さんのご子息よりコメントをいただいたのですが…

2012年10月末で引退されたそうです。

とても残念ですが、これは仕方ないですね。


ボクたちは素敵な思い出をいただいていますから、
これからもずっと大切にしてゆきたいと思います。














さて、鉄チャン活動へと戻りましょう。


下見をしておいた海路~吉尾間の球磨川沿いを対岸から狙います。










川面バッチリ!




1082D、特急『くまがわ2号』です。

お次が本番、ハチロクの8261レで~す!














美しい風景の中を駆けてゆきました  ♥Marippe♥



風で波が立ってしまいましたね~
ちょっぴり残念…



ここから追っかけの開始です!














白石駅  ♥Marippe♥




白石駅前にbBを停め、ホームに出るとちょうど8261レが到着するところでした。







そして…









発車!















(^O^)/  ♥Marippe♥
















\(^o^)/  ♥Marippe♥









『SL人吉』が走る肥薩線の八代~人吉間は、ほとんど全線で球磨川と並行しています。
途中二箇所に球磨川を渡る鉄橋があり、
どちらも明治41年の肥薩線開業時から使い続けられているという大変古いトラス鉄橋です。
鎌瀬~瀬戸石間の第一球磨川鉄橋、那良口~渡間の第二球磨川鉄橋ともに、
アメリカ人技師のクーパー・シュナイダー氏の設計により、ニューヨークのアメリカン・ブリッジ社で製造されたそうです。
肥薩線には白石駅のように明治時代と変わらぬ姿で残る駅舎、この歴史的な鉄橋、
そして元気に走り続ける大正生まれのハチロクがあり、まさに鉄チャン的文化財の宝庫といった感じですね。

昨日の8261レ、8262レは、第一球磨川鉄橋の両側で撮影しました。
今日は第二球磨川鉄橋へ行ってみます。
場所、到達距離と所要時間、駐車場所や撮影の足場は昨日確認済みですので、
白石駅で8261レの出発を撮影後、割と余裕を持って移動できました。

現場に着くと既に二名の同士が。
軽く挨拶をしてカメラをセットします。
鉄橋の那良口寄りに踏切があるので、汽車が来る時はすぐにわかります。
しかし移動時から天候が悪化しており、少し暗くなってしまいました。











まぁ…なんとか…(・_・;)










これで8261レの撮影は終了です。
今日は人吉インター15:18発のバスで鹿児島に戻りますので、8262レは人吉付近で軽く見送るだけとなってしまいます。
なので、せめてものお名残に?人吉機関区で転車台に載るハチロクの姿を見ることにしました。

ガソリン満タンでトヨタレンタカーに着いたのは12:30少し前だったでしょうか。
二日間お世話になったbBとお別れし、人吉駅まで送ってもらいました。
人吉駅に着いたのは12:50頃、コインロッカーに荷物を預けて外に出ると、駅前のからくり時計が13時を告げていました。

お昼を食べたいところですが、適当な食べる所もないのでお茶を飲んで小休止し、機関区へ向かいました。
ハチロクが動き出すのは13:30過ぎのはずです。
転車台近くの建物内には、機関車見学関連の展示物などがありました。
中でも鉄娘が興味を示したのは『投炭練習機』でした(^^)v






昔、機関区にあったやつに比べると貧弱ですが…(+o+)
Marippeチャレンジ!
ポーチが邪魔じゃない?(笑)
機関士さんの帽子を貸していただきました(^O^)/
ゴキゲン!









焚口扉(投炭口)の横には石炭をくべる順序が記された紙が貼ってあります。
遠くに投げる時、手前にくべる時のコツを教えてやると、結構マトモにやっていました(笑)
「教える」と言っても、僕の場合は『見てた感じを伝える』というだけの受け売りですが…(・_・;)

40番くらいまである順番を意識しつつ、楽しそうに投炭する鉄娘を国鉄OBの方が見つめていました。
ここには20名のボランティアが働いているそうですが、そのうち18名はOBだそうです。
ハチロクや石造車庫の見学者に色々と教えてくれている『生き証人』たちですね。















静々と転車台に載って… ❤Marippe❤














転回~♪ ❤Marippe❤








この転車台も明治時代に造られたものだそうです。
最終的に昭和40年代に改造されたとのこと。
こうして活用されているのは、本当に素晴らしいことですね。






さて、8262レが人吉駅を発車するのは14:38です。
鹿児島へ戻る高速バスは人吉インターを15:18に出ますので、移動を考慮すると撮影地はかなり限られます。
最初は簡単に人吉駅の出発でも狙おうかとも考えました。
しかし『せっかくだから…』ということであれこれと検討。
駅からインターまでの移動はタクシーしかありません。
撮影する場所次第で、タクシー移動が『駅~インター』または『駅~撮影地~インター』の選択となる訳ですが、
距離や待ち時間による料金の増大と、『駅出発vs郊外走り』の比較をした結果、
やはり『走り』を撮ろうということになりました。


撮影地は昨日から決定していました。
昨日の8262レを撮る際、一発目を渡駅近くの小川鉄橋にするか、人吉~西人吉間の万江川鉄橋付近にするかで悩みましたが、
後者の地点が人吉インターへ向かう場合に有利であることから今日にとっておいたのです。

駅前で客待ちをしていたタクシードライバーさんに、『かくかくしかじか』と説明すると、すぐに理解してくれました(^^)v
駅を出たのは8262レ発車の約10分前。
撮影地での待ち時間(料金)を少しでも節約しようとギリギリにしました(笑)
撮影地点は予め見ておいたので、到着後すぐにポイントを定め、
三脚を立ててスタンバイし、8262レを待ち受ける準備完了までに充分な余裕もありました。


さあ、いよいよラストシーンです。

鉄娘に
『最後だぞ~ 頑張れよ~!』
とエールを送ると、汽笛が聞こえました。











これで見納めだぞ~ ♥Marippe♥














バイバイ! ♥Marippe♥










ラストシーンはまずまずの結果でした。
鉄娘もゴキゲンです♪

タクシーでの移動は予想よりも迅速で、人吉インターに着いたのは15時前でした。
この作戦は第二球磨川鉄橋あたりまで使えるかも知れません(笑)


二日間に渡った『SL人吉』の撮影も終了です。
日に1往復の汽車ですが、レンタカーのおかげで10シーンの撮影ができました\(^o^)/

鉄娘。的には…

◆上手く撮れた所
7/24 8261レ 第一球磨川鉄橋
7/24 8262レ 第一球磨川鉄橋
7/25 8261レ 白石駅出発

◆失敗した所
7/24 8261レ 白石駅出発
7/25 8261レ 第二球磨川鉄橋

…だそうです。
8262レの第一球磨川鉄橋では連写が出来なかったのが悔しかったとか(笑)


僕の採点は85点といったところでしょうか。
まだまだ荒いところもありますし…。
デジイチデビュー戦としては合格だと思います!(^^)!


今回の撮影はこれにて終了。
人吉インターから高速バス『きりしま号』に乗って鹿児島へ帰りました。
またハチロクに再会したいと思います。









【使用機材】


❤Marippe❤


ペンタックスK-m



◆Tsunepyon◆


SONY DSC-WX1



SONY HDR-UX7













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