日立鉱山の軌道を撮影した帰り道でした。
『近くに軌道を使っていそうな鉱山がある…』と言う鉱山軌道博士のS君。
聞けば以前から目をつけていた鉱山だそうです。
せっかくだから、是非そこに寄り道しよう!という提案。
なにしろ全国の鉱山軌道を掌握していたS君のお誘いゆえ、
O君とボクは言われるがままにクルマを走らせました。
どの場所、どの道を通って行ったのかは全く覚えていません。
高取鉱山って何処だっけ???
実際に自分が行ったはずなのに『高取鉱山』でググってみるというマヌケさ(苦笑)
そこは西茨城郡七会村で、栃木県境と茂木に近い山間でした。
なんだか判りませんが、そこに行ったはずなのです…確かに…(^-^;
完全に記憶を失っているため、自分たちで作成した記事、
レイルマガジン1985年 4月号の『THEトロッコ』を参考に書いてゆきたいと思います。
自らの記事を参考書とするのもマヌケですね~(+o+)
参考書によると、迷いながらも七会村に到着したボクたちは、とある林道を走っていました。
クルマ1台分くらいの道幅、鉱山施設へと通じる道にしては狭すぎる…との疑問を抱きつつ
更に進むと突如ズリ捨て場のような処に出たようです。
その時点で、既に軌道のニオイを感じていたボクたち。
その先に行ってみると、旧い建屋前にヘラヘラと延びる併用軌道に出会えました。
すぐさま事務所を訪ね、見学撮影のお願いをしたところ、現場の方々はたいそう驚かれた様子、
話によると、軌道の撮影を目的に来た者はボクらが初だったそうです。
この頃は未だトロ鉄趣味もマイナーでしたから、こんなことも多々ありました。
今振り返ると、のんびりした善き時代でしたね~
ここは千歳鉱山株式会社高取鉱山という名称で、タングステンを採掘していました。
軌道は坑内からの鉱石搬出と、坑外軌道でのズリ捨てに使用され、
約30両の鉱車と2両のニチユ製BLを所有する比較的小規模のもの。
軌間は508mm、BLも1tというミニサイズ、渋い佇まいが好もしい軌道と言う印象を受けました。
ここが最初に見た併用軌道!
軌道の役目は鉱石の搬出とズリ捨てでした。
坑内へはBL+鉱車で入ります。
恐らく中で機回しをしていたのでしょう、出て来る時もBL+鉱車でした。
鉱石を積んだ鉱車は1両ずつ切り離され、手押しで運びます。
選鉱所のダンプガイドに入れて鉱車を縦にひっくり返し、鉱石を降ろしていました。
先ずはその様子から…
坑口は手前、鉱石を積んだ鉱車編成も後方にあります。 | |
1両ずつ手押しでダンプガイドに入れます。 | |
降車ごと倒して鉱石を降ろします。 | |
これを繰り返します。 | |
搬出列車の編成は10両。 | |
地道な作業ですね… | |
組成した列車の牽引以外は全て手押しでした。 |
次はズリ捨てです。
ズリの積み込みは屋内の木製ホッパーで行われていました。
木の蓋を手で開閉させての積込、確か撮った覚えがあるのですが…
写真が見当たりません…(T_T)/~~~
ズリ捨ての列車は鉱車+BLの編成、推進で出発します。
選鉱所前から建屋の横をすり抜け、事務所前の併用軌道を通り、狭い土場に到着。
ここでも鉱車を1両ずつ離し、手押しで捨て場へと向かっていました。
土場の先は軌道が分岐しており、二つの線の突端にはダンプガイドがあります。
作業は二名で二基のダンプガイドを使うので、ズリ降ろしはアッという間でした。
資材などが置かれた土場。右が選鉱所方面、左に進むとズリ捨て場があります。
同一地点から見たズリ捨て場。
資材なのかゴミなのか微妙ですが…(・_・;) | |
二基のダンプガイド。 | |
重そうですね。 | |
ズリ捨てを終えて帰ります。この先が選鉱所。 |
空の鉱車を入換作業で組成してゆきます。
10両の空車を連れ、選鉱所を後にして坑内へと向かいます。
懐かしの愛車、ルーチェ❤ | |
選鉱所の看板。 | |
手作業での選鉱! | |
試乗してみました(笑) 若いなぁ~♪ 当時22歳か… |
暫くすると、坑内から鉱石を積んだ列車が出てきました。
また手押しでの降ろし作業です。 | |
空車はBLに繋げて… | |
結構疲れるでしょうね… | |
ちょっと一服… | |
BL君も労わってあげないとね… | |
作業員さんにとっては相棒ですからね~ |
またもズリ捨て列車が出るようです。
選鉱所脇を通り抜け…
事務所前の併用軌道を進み…
土場に着きました。
ズリ捨て場
最後の1両!
よっこらしょ…っと!
帰り道。知り合いのオバちゃんかな…?
空車を置いて、ポイント切り換えて… | |
車庫に帰って来ました~ 本日の運行は終了です。明日に備えて充電か? |
さほど長い滞在時間ではありませんでしたが、
まあそこそこポイントを押さえたシーンは捉えていると思います。
シチュエーションのせいか、鉱山軌道の割にはいい感じ。
しかし、この時の撮影が最初で最後となってしまいました。
高取鉱山は訪問の5年後には採掘休止となり、その後閉山されたようです。
改めて見ると、旧き善き鉱山軌道といった風景ですね。
ありがとうございました!
萌~❤
ペンタックスMX
ペンタックスME super
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