尾小屋鉄道



新小松~尾小屋間 16.8km
762mm軌間 非電化




《歴史》

大正 9年
鉱山軌道として新小松~尾小屋間 開業
(前年に一部区間が開通していた)

昭和 4年
尾小屋鉄道設立

昭和46年
尾小屋鉱山閉山

昭和52年
営業廃止





《概要》


尾小屋鉄道は、鉱石運搬を目的として開業した鉄道でした。
鉱石を産出していた尾小屋鉱山が開発されたのは、江戸時代に遡ります。
当初は金山として操業していたものの、質が悪かったようで一旦は閉山。
その後、明治時代に銅鉱石の採掘が始められて繁栄しました。
大正8年から9年にかけて鉄道が開通。
鉱山と沿線の発展に荷担し、長年活躍してきました。
昭和46年に尾小屋鉱山が閉山すると、鉄道と沿線は斜陽の一途をたどります。
実は鉱山関連の貨物は昭和30年代にトラック輸送に転向しており、
尾小屋鉄道の輸送量は最盛期に比べて激減していました。
不思議なもので、衰退してゆく鉄道の姿には一種独特の魅力が発生します。
哀愁を帯びた車両たち、しっとりとした佇まいが一層の風情を添えていました。
ゲージが狭く、車両が小さい分だけ反比例して印象が強烈だったのかも知れません。
ボクは蒸気機関車という撮影ターゲットを失っていた頃でしたから、
尾小屋鉄道との出会いは、新たな『推し』を発見したような感じ。
興味や撮影意欲がメラメラと沸き立ったように覚えています。
しかし、出会いから1年もたたぬうちに尾小屋鉄道は廃止されてしまいました。
訪問は僅か三度だけでしたが、
最後の一週間は沿線に泊まり込んで、じっくりと撮影出来ました。
ちょっぴり手遅れな出会いでしたが、今では良い思い出です。






《昭和52年当時の在籍車両》

キハ1

昭和12年 日本車輛製
元ガソリンカー 機械式ミッション
昭和28年にディーゼルエンジンに換装
小松市"なかよし鉄道”にて動態保存


キハ2
昭和13年 日立製作所笠戸工場製
荷台付き 機械式ミッション
尾小屋駅跡にて保存


キハ3
昭和24年 汽車会社製
もと遠州鉄道奥山線キハ1803 昭和39年入線
機械式ミッション
小松市"ポッポ汽車展示館"にて動態保存


ホハフ3
大正10年 梅鉢鉄工所製
もと中勢鉄道ボコ2~ハニ2~
三重鉄道ホハ12~三重交通サ321~
小松市"なかよし鉄道”にて動態保存


ホハフ7
大正14年 日本車輛製
もと北勢鉄道ハフ11~北勢電気鉄道ハフ11~
三重交通サニ403~
尾小屋駅跡にて保存


ホハフ8
大正13年 日本車輛製
もと北勢鉄道ハフ9~北勢電気鉄道ハフ9~
三重交通サニ401~
小松市"なかよし鉄道”にて動態保存


DC121
昭和27年 協三工業製
足回りは蒸気機関車の部品を流用 機械式ミッション
小松市"なかよし鉄道”にて動態保存


DC122
昭和28年 協三工業製
機械式ミッション
尾小屋駅跡にて保存


C155
昭和24年 立山重工製
14.5t C形飽和式蒸気機関車
旧番号はNo,5 晩年は休車
小松市"ポッポ汽車展示館"にて保存



その他に貨車、ロータリー除雪車などが在籍






【訪問日】



昭和51年 8月 2日


昭和51年12月


昭和52年 3月






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