日鉄鉱業 大洞鉱業所





◆所有事業者◆
日鉄鉱業(株) 大洞鉱業所

◆運行区間◆
坑内 ~ ホッパー 詳細不明
軌間=762mm 600V電化








交換線からホッパーに接近する石灰石列車









【概要】


北上山地は複雑な地層と火成活動によって形成され、多様な鉱物資源を生み出しました。
特に釜石鉱山周辺ではスカルン鉱床が発達したことから、国内有数の鉄鉱産地として知られています。
スカルンとは、石灰岩や苦灰岩などに花崗岩などのマグマが貫入して発生する鉱物の集合体のことです。
新釜石鉱山軌道があった陸中大橋の隣駅、上有住付近の大洞鉱山では石灰石が採掘されていました。
この鉱山について、資料などが皆無なので詳しいことが全く分かりません。
大洞鉱山の石灰石は、軌道から国鉄のホキに積換えられ、釜石へと運ばれていました。
当時、上有住~釜石間には石灰石専用列車が二往復設定されていたそうです。
納入先は新日鉄釜石とのことでしたから、恐らく製鉄に使用されていたのでしょう。

ここを訪問したのはたった一度だけ、それも僅かな時間だけでしたから、余計に不明点が多いのです。
抗外を走る区間は坑口とホッパーの間、300mくらいだったでしょうか…
ホッパーの手前には側線があり、降ろし作業の後にTLの機回しが行われていました。
TLは10トン機、下回りの前後が警戒色に塗られている以外は、なんとなく釜石鉱山のに似ています。
釜石鉱山が独立する以前、同じ日鉄鉱業だったこともあるのでしょう。

坑内の様子は全く分かりません。
ただ、1~2km先の山では露天掘りが行われており、少なくともその下までは達していたと思われます。
石灰石は縦坑から坑道へと落とされたのか、または坑内掘りだったのか…(?_?)
短い滞在時間で数本撮影しておりますので、そこそこ頻繁に運転されていたとは思います。

昭和62年頃に訪れた方のレポートによると、既に軌道は使われなくなっていたそうです。
その後、大洞鉱山は閉山したとか。
鉱山としての資料も見つからないため、謎の多い軌道のひとつです。







【車両】

E6形=6トンTL
E10形=10トンTL
5tグランビー鉱車









【訪問日】

昭和60年 2月 8日


















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