トワイライトエクスプレス

Twilight Express







千歳線 島松~北広島間  8001レ  2015.3.6










客車





スロネフ25およびカニ24に掲出されたテールサイン
(画像元:愛称別トレインマーク事典様







トワイライトエクスプレスの運行開始にあたり、
既存の24系寝台客車と485系電車を改造して、専用客車による編成が造られた。
車体は深緑に黄色い帯。
緑は日本海、黄は黄昏時を表しているそうだ。
それでは1号車から順を追って、各形式について調べてみよう。









【スロネフ25形 500番台】




スロネフ25-502



平成元年、オハネ25形0番台から2両、平成3年にオハネフ25形0番台から1両が改造。
運行開始時は編成の両端に連結されていたが、予定臨となってからは大阪側端の1号車に固定された。
1室の二人用A個室寝台「スイート」、4室の一人用個室「ロイヤル」とデッキ側に車掌室を配する。
スイートは車端に設置されていることから、「展望スイート」とも称された。
非常に人気が高かった部屋であり、チケット獲得が最も困難な部屋でもあった。
「展望スイート」または「1の1」と称され、トワイライトファンにとっては永遠の憧れでもある。
展望ソファ、テレビ、BGM装置、クローク、トイレ、洗面所、シャワールーム、
ドライヤー、ルームキー、コンセント、冷蔵庫などを備える。
ソファはベッドとしても使え、差額を支払って三人利用も可能。
ロイヤルはソファベッドがダブルサイズで、差額を支払って二人利用も可。
テレビ、BGM装置、クローク、トイレ、洗面所、シャワールーム、
ドライヤー、ルームキー、コンセントなどを備える。
(スロネフ25-501/502/503)










【スロネ25形 500番台】




スロネ25-502



種車はオハネ25形0番台で、平成2年に2両、平成3年に1両が改造された。
スロネフと同じく、スイート1室とロイヤル4室を有する車両。
スロネフ25の隣、2号車に連結されていた。
スロネフとは部屋の配置が異なり、スイートは車体中央に、その両側にロイヤルが2室ずつ配される。
スイートの基本的な設備は同様であるが、1号車スイートと比べ、シャワー室とトイレがグレードアップされている。
1号車スイートのシャワー室は、折り畳み便座の簡易なトイレと洗面所がシャワー室内で兼用となっているのに対し、
2号車ではシャワー室が独立し、通常の洋式トイレ、シンクの洗面所が用意された。
展望である1号車とは環境格差があるため、装備でレベルを合わせるということかも知れない。
眺望にも配慮がなされ、ラウンジカー(後述)と同様の屋根のR部分まで達する大きな窓が備えられている。
展望スイートと比較するとやや格下の印象は否めないが、乗り心地や居住性を加味すると勝るとも劣らないだろう。
(スロネ25-501/502/503)










【スシ24形 0番台】




スシ24-2



24系寝台客車の食堂車が不足していたことから、485系電車などから改造された形式である。
もともと24系の食堂車は製造数が少なく、東京~九州間での運用だけで手一杯だった。
青函トンネルが開通し、北斗星が運行を始める際に食堂車となる車両が存在しなかったため、
特急型電車485系、489系のサシ481、サシ489形を種車に改造され、昭和62年にスシ24形500番台が誕生した。
昭和63年に登場したスシ24形0番台も、同じくサシ481と489からの改造である。
当初は日本海の運用に就いていたため、通常の寝台特急色であったが、
トワイライトエクスプレスに充当されるにあたり、外観と室内をリニューアルした。
「ダイナープレヤデス」を名乗る食堂車として、トワイライトエクスプレスにとって不可欠な存在である。
スシ24は、A個室エリアとB寝台エリアの中間に位置する3号車に組み込まれていた。
晩年はB寝台側からA個室方面への通行が規制され、ダイナープレヤデス職員がさりげなく監視していたという。
これは興味本位でスイート、ロイヤルを見物に押し掛ける輩を排除する目的だったらしい。
そういう意味では、A個室とB寝台を区切る境界の役目も担っていた。
スシ24-1と2は屋根上冷房機器が旧式のきのこ型で、通常の箱型であるスシ24-3とは印象が随分違う。
車体側面のエンブレムは、他の車両が『Twilight Express』と表記しているのに対し、
スシ24では食堂車の名にちなみ『Diner Pleiades』となっている。
(スシ24-1/2/3)


ダイナープレヤデスのエンブレム










【オハ25形 550番台】




オハ25-552



ダイナープレヤデスと並んでトワイライトエクスプレスを象徴する形式で、食堂車に隣接する4号車に位置した。
屋根のR部までせり上がった大きな窓が特徴である。
車両の大部分がラウンジで、札幌側にはシャワー室が二室と自動販売機コーナーがあった。
ラウンジはハイデッカー構造になっており、通路からは階段で昇降する。
車内にはソファとテーブルが設置され、乗客たちは大きな窓からの景色を眺めながら寛いでいた。
また札幌方面進行方向左側には、低い位置に窓側を向いたベンチシートが配されている。
ここからは大きな窓の間近で景色を眺められると同時に、後方のソファからの視界を妨げないというメリットもある。
ベンチシート側には日本海の眺望が広がり、これがトワイライトエクスプレスの売り物のひとつでもあった。
JR西日本の乗務員による、サービスイベントが行われたのはこの車両。
トワイライトならではの環境とサービスを平等に体感できるパブリックスペースでもある。
晩年の混雑時には、車掌が車内放送で「交代で着席してください」と案内していた。
居心地が良いことから、主にB寝台利用客が陣取って宴を催すことをけん制していたものと思われる。
種車は14系寝台客車で、オハネ15形から2両、オロネ14形から1両が改造された。
エンブレムは他の客車と異なっており、『Salon du Nord』と表記されている。
(オハ25-551/552/553)


サロン・デュ・ノールのエンブレム
(画像元:愛称別トレインマーク事典様










【オハネ25形 520番台】





オハネ25-521



一人用B個室「シングルツイン」と、二人用B個室「ツイン」を有する車両である。
食堂車、ラウンジカーを介してB寝台エリアに入る5、6号車に連結されていた。
車内にはシングルツインが6室、ツインが7室配置される。
平成元年に4両、平成2年に2両が、それぞれオハネ25形0番台から改造されて登場した。
シングルツインは、上段の補助ベッドを使うと二人利用が可能。
が、個室空間が狭いため大人二名ではかなり窮屈である。
同等の個室はサンライズ用の285系にも存在するが、
当車両では上段部に窓が無いため、余計に圧迫感が強まっている。
一方のツインは室内空間にゆとりがあった。
北斗星のA個室ツインデラックスよりやや狭い床面積が確保され、B個室としては最上クラスである。
上下に窓があるため、眺望は良好。
ただ、下段ベッドとなるソファが枕木方向に配されているので、
着席時には進行方向が横向きになる、窓側の客は扉と壁を延々と眺める、という点が気になる。
それらを差し引いても、コストパフォーマンスが最も優れている空間であろう。
また、上段ベッドは電動で昇降できるため、座席使用時にも圧迫感が少ない。
尚、5号車は禁煙、6号車は喫煙可とされていた。
(オハネ25-521/522/523/526/525/526)










【オハネ25形 510番台】




オハネ25-512



7号車に組み込まれ、ツイン9室とミニロビーが設置されている。
520番台も同様であるが、ツインの「個室1番」と「個室2番」の間仕切りは可動式で、
これを開放すると広い四人用個室として利用が出来た。
ミニロビーは、二人掛けのソファが二脚とテーブルが配される。
飲料自動販売機とマガジンラックが設置されており、団らん等に利用されていたが、
晩年はラウンジカーと同じく長時間占拠され、宴を催す場と化していた。
種車はオハネ25形で、平成元年に2両、平成3年に1両が改造された。
(オハネ25-511/512/513)










【オハネ25形 560番台】




オハネ25-562



豪華寝台特急トワイライトエクスプレスの中にあり、唯一スタンダードな車両が8号車、9号車だ。
オハネ25形0番台を基に、平成元年に2両と平成2年に1両が改造された。
当形式は8号車に組み込まれ、禁煙車扱いであった。
ベーシックな二段式B寝台車両ではあるが、通路と寝台の間に透明な仕切り壁とドアを設置し、
ヨーロッパで一般的な、コンパートメント車両と似た構造となっている。
「Bコンパート」と称し、簡易個室ながら寝台券は通常のB寝台と同じくバラ売りされた。
即ち、簡易個室内で他人同士が同居することが多々あった訳である。
17番寝台は乗務員用に割り当てられ、三段ベッド化されていた。
(オハネ25-561/562/563)










【オハネフ25形 500番台】




オハネフ25-502



8号車のオハネ25形560番台と同じ「Bコンパート」の車両で、9号車に位置した。。
緩急車でもあり、車掌室と貫通扉を有している。
しかし、車掌車側には常にカニ24形を連結しているため、
定期運行では当形式が妻面を披露して走ることはなかった。
この9号車は、旅行会社の枠に多く割り当てられていたようで、喫煙可能であった。
開放寝台ゆえに通路で喫煙する者が多く、車内の空気が最も悪かった車両でもある。
平成元年に2両、平成3年に1両がオハネフ25形0番台から改造された。
(オハネフ25-501/502/503)


各寝台車両のエンブレム
(画像元:愛称別トレインマーク事典様











【カニ24形 0番台】




カニ24-12



特急用寝台客車のパイオニアである20系は、供給電気を専用の電源車に於いて発電していた。
この方式だと発着地が異なる列車を併結する際、分割後に電源車が2両必要となる。
分割併結の際に補助の電源車を連結解放するなど、煩雑な作業が必要とされた。
そこで12系客車で実績のある、分散電源方式を取り入れた14系寝台客車が昭和46年に誕生。
二系統の運行区間が併結される列車、「さくら」、「みずほ」などで活躍した。
しかし、発電装置を緩急車の床下に装備しているため、当該車両では振動や騒音の問題もあり、
加えて防火安全対策にも懸念があるということで、再び集中発電方式が見直されて24系寝台客車が開発された。
デビュー当初の電源車はマヤ24形であったが、その後は荷室を加えたカニ24形が製造されるようになる。
寝台特急の主力が24系になるにつれ、カニ24も増備されていった。
トワイライトエクスプレスで使われたカニ24形は、昭和49年から51年にかけて製造された0番台である。
客車は固定編成が三本あったが、電源車は担当編成が決まっておらず、予備を含めて4両が存在した。
(カニ24-10/12/13/14)






















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