トワイライトエクスプレス

Twilight Express








信越本線 長岡駅 8002レ  2015.3.7










運転時刻






大阪と札幌の間、約1500kmを走破するトワイライトエクスプレス。
当然のことながら、距離が長いだけに運行時間は長時間に渡る。。
通常の夜行列車は夕方または夜に出発し、朝または午前中に目的地に到達するが、
トワイラトエクスプレスの場合は上下とも昼間走る時間帯が多いというのが特徴である。
これだけの長距離、長時間にわたる寝台特急列車は、
かつて東京~西鹿児島間を日豊本線経由で結んだ『富士』、
または同区間を鹿児島本線経由で結んだ『はやぶさ』くらいではないだろうか。
特急以外に目を向ければ、その昔には長距離急行列車がたくさん走っていたため、
運転時間に関しては比較にならないくらいのものもあるのだろうが…

廃止目前の平成26年~27年には、青函トンネルでの新幹線設備工事のため計画的なダイヤ変更があったが、
この際の上り(9002レ)は運転時間が24時間を超えるということで話題になった。
26年間に渡って走り続けたトワイライトエクスプレス。
その間、運行時刻は少しずつ変化してきたが、ここでは最後の運行時刻を基に解析してみよう。










トワイライトエクスプレス 時刻表
8001 8002
駅名 着発時刻 駅名 着発時刻
大阪 11:11 30 札幌 13:49
11:50 00 14:05
新大阪 11:55 00 南千歳 14:39
11:56 00 14:39
京都 12:24 00 苫小牧 14:59
12:25 00 15:00
(近江舞子) 12:59 00 登別 15:32
13:04 00 15:32
敦賀 13:46 45 東室蘭 15:48
13:48 45 15:50
(鯖江) 14:22 30 洞爺 16:23
14:28 00 16:33
福井 14:39 50 (五稜郭) 18:45
14:40 35 19:03
金沢 15:37 00 (蟹田) 20:48
15:40 00 20:49
高岡 16:14 15 (青森) 21:13 30
16:14 45 21:53 00
富山 16:30 30 (新青森) 21:59 00
16:32 00 22:03 00
直江津 17:56 45 (弘前) 22:32 45
18:06 45 22:33 45
長岡 19:02 30 (大館) 23:09 45
19:04 30 23:10 45
新津 19:43 00 (秋田) 0:35 00
19:45 00 0:37 00
(鶴岡) 21:48 30 (酒田) 2:05 00
21:52 30 2:08 00
(酒田) 22:16 30 (越後早川) 3:30 00
22:18 30 3:32 00
(秋田) 23:47 00 新津 4:33 30
23:56 30 4:40 00
(大久保) 0:14 30 長岡 5:17 45
0:18 00 5:29 00
(大館) 1:26 15 直江津 6:25 00
1:27 15 6:27 00
(弘前) 2:02 45 富山 8:01 00
2:03 45 8:03 00
(津軽新城) 2:30 15 高岡 8:18 00
2:34 15 8:19
(青森) 2:42 15 金沢 8:49 35
2:55 00 8:51 35
(蟹田) 3:20 (芦原温泉) 9:33 45
3:22 9:39 30
(五稜郭) 5:05 福井 9:54 30
5:18 9:56 00
洞爺 7:18 敦賀 10:36 15
7:18 10:52 15
東室蘭 7:52 (大津京) 11:59 00
7:54 12:04 30
登別 8:11 京都 12:15 00
8:12 12:18 00
苫小牧 8:50 新大阪 12:47 45
8:50 12:48 45
南千歳 9:10 大阪 12:53 30
9:11 13:02 00
札幌 9:52
10:03 (駅名)は運転停車







【青函トンネル設備工事による時刻変更】
※客扱い停車駅のみ記載


■大阪 → 札幌/9001レ■

(大阪→新津は通常の時刻)

→ 洞爺 8:33着 → 東室蘭 9:04着 → 登別 9:20着 → 苫小牧 9:50着 → 南千歳 10:10着 → 札幌 10:44着

(大阪発 11月12/17/27/29日 1月13/19/21/23日運転)





■札幌 → 大阪/9002レ■

札幌 16:12発 → 南千歳 16:46発 → 苫小牧 17:06発 → 登別 17:37発 → 東室蘭 17:57発 → 洞爺 18:43発 →

新津 8:27発 → 長岡 9:10発 → 直江津 10:17発 → 富山 11:55着 → 高岡 12:26着 → 金沢 13:07着 →

福井 14:03着 → 敦賀 14:50着 → 京都 16:15着 → 新大阪 16:47着 → 大阪 16:53着

(札幌発 11月28/30日 1月14/20/22/24日運転)





■運行全区間の概要■




☆8001☆

宮原操車場を11:01に発車した回8001レは、11:11に大阪駅10番線に進入する。
牽引するのは敦賀運転センター所属のEF81で、前日もしくは前々日の8002折り返し運用だ。
入線の際にホーム上で待機するダイナープレヤデス乗務員は、一斉にお辞儀をして列車を迎える。
このシーンは以前より注目されていたが、廃止直前にはスシ24停車位置周辺に規制ロープが張られて立ち入りが制限された。
お辞儀シーン見物者の抑制と、スシ24への材料積み込み作業を円滑に行う対策である。
始発、終着駅での停車時間は8001の大阪が最長で、39分間であった。
トワイライトエクスプレスが停車していたこの時間は、周辺には何やら特別な空気が漂っていたように思う。

大阪駅を発車すると、即座に「いい日旅立ち」のメロディとガイダンスが流される。
続く車掌の放送は簡潔なのもで、新大阪発車後にフル規格の案内が行われた。
A個室各部屋へはダイナープレヤデスのマネージャーが回り、ウェルカムドリンクのオーダー、
ディナーの確認、モーニングドリンクのオーダー、朝食の予約などを承っていた。
B寝台エリアには別の職員が、サービスドリンクを除く各項目の確認とオーダーに回る。
ダイナープレヤデスではシャワーカードの販売が始まり、利用を希望する乗客たちが集まって来ていた。
吹田付近ではEF210牽引の貨2062レと並走し、このシーンを狙う鉄チャンも多かったようだ。
前日、札幌発の8002が運行されている場合、定時ならば西大路付近ですれ違っていた。
互いに完璧な定時運行という日が少ないことから、すれ違う地点はまちまちだったようである。
近江舞子では5分間の運転停車をし、後続の4019M『サンダーバード19号』を追い越させていた。
ちょうどこの頃、ダイナープレヤデスでは8001レでしか楽しむことが出来ないランチタイムが開始される。
かつては優等列車の旅での食堂車利用など、特段珍しいものではなかったが、
廃止に次ぐ廃止により、近年での食堂車営業は一部の寝台特急だけとなっていた。
それらは概して朝食と夕食の提供のみである。
列車の特性上、運行時間に昼食時間帯が含まれないのが理由であるが、この8001レだけは違っていた。
始発駅をお昼に出発することから、やや遅めのランチタイムが設定されていたのである。
食堂車が昔話になりつつある現在に於いて、8001レのランチタイムは非常に希少なものであった。
廃止報道以降は利用客が増加し、大阪駅発車直後から開店を待つ人々が並んだ。
その列は廃止の日が近づくにつれて増大したため、最後の頃には整理券を配布して混雑を緩和していたらしい。
琵琶湖を眺めながらのランチタイムは、日本の鉄道旅文化遺産のようなものだったが、それも思い出話となってしまった。
機関区のある敦賀では、最初の機関士交代が行われる。
宮原~敦賀は大阪電車区の受け持ちで、敦賀からは金沢列車区の機関士に代わっていた。
鯖江では、再び運転停車の間に4021M『サンダーバード21号』に進路を譲る。
金沢では、金沢運転区所属の別の機関士に交代していた。
石川~富山を走る頃、車掌によってはサロン・デュ・ノールにてイベントが行われる。
クイズ、またジャンケンなどで景品をもらえるということで、大変人気があった。
車窓右手を立山連峰が飾り、やがて左手に日本海が姿を現わせる。
だが、これの眺望は季節と天候に左右されるだろう。
日照時間の短い頃であれば、すっかり闇の中である。
日本海沿いの親不知を通過する頃、最初のディナータイムが開始される。
ダイナープレヤデスでのディナーは予約制で、17:30~と19:30~が設定されていた。
基本的に人数ではなくテーブルごとの販売となるため、一回で10組しか利用できない。
また、寝台券購入者でないと販売できないため、発売日時のタイムラグもあって獲得が難しかったという。
直江津では10分間停車、8001の客扱い停車駅の中では最長の停車時間であった。
直江津から先はJR東日本管内となり、直江津運輸区所属の機関士に交代する。
トワイライトエクスプレスの運行区間はJR西日本、東日本、北海道に跨っており、
そのうち東日本管内の距離が600km以上と、全体の半分以上を占めている。
その割に、トワイライトエクスプレスに対するJR東日本の関りは少ない。
停車駅は直江津、長岡、新津だけ、機関車は西日本のEF81のままだし、車掌の交代もない
しかし、件のEF81を操る機関士の数では立場が逆転する。
西日本の機関士は大阪~直江津間で3名であるが、直江津~青森間では東日本の機関士が4名で運転する。
距離も大阪~直江津は450km足らず、対して直江津~青森間は約600kmだ。
だが、東日本管内では夜間から未明にかけて走るため、やはり存在感は薄い。
本州で最後の客扱い停車駅である新津が近づくと、二度目のディナータイムとなる。
また、この頃から再びサロン・デュ・ノールでのイベントが行われることもあった。
新津からは新津運輸区の機関士に交代、この先は翌朝の洞爺まで客扱い停車が無い。
羽越本線は単線区間が多く、遅延などの影響でダイヤ設定には無い駅に運転停車することがあった。
21:00に二回目のディナーが終了し、21:30からはパブタイムが開始される。
予約が不要で、リーズナブルな価格で飲食ができるため、この時間帯を楽しみに待つ乗客が多かった。
鶴岡では4分間の運転停車で、対向の貨2090レと交換する。
以前は2090が退避し、8001は通過していたが、平成26年3月のダイヤ改正で停車するようになった。
この頃、車掌からの「おやすみ放送」が流れ、車内放送は明朝まで休止される。
酒田で秋田運転区の機関士に交代する。
以前は女鹿で運転停車があり、2022レ『あけぼの』と交換していた。
平成26年3月改正で『あけぼの』が廃止となったため、この運転停車は無くなった。
秋田では、EF81での最後の機関士交代があり、青森までの間は大館運転区の機関士が担当。
大久保では3分30秒の運転停車があり、同日札幌発の8002レが運行している場合は交換していた。
大館、弘前、津軽新城に運転停車するが、理由は不明。
青森に2:42到着で、13分間の運転停車をして機関車交換と車掌の交代が行われる。
平成18年から24年の間は、青森駅に進入せず青森信号場に停車していた。
カニ24側のEF81が解放され、スロネフ25側に函館運転所青函派出所のED79が連結される。
JR西日本の車掌が降車し、代わってJR北海道の車掌が乗り込む。
青森から五稜郭の間は、進行方向が逆となる。
蟹田では2分間の運転停車。
青森信号場停車の期間には、蟹田で車掌の交代が行われていたらしい。
青函トンネル通過時間は、おおよそ3:45~4:20の間。
五稜郭に5:05着で、スロネフ側のED79が解放され、カニ側に函館運転所所属のDD51重連が連結される。
8009レ『カシオペア』運転日と重なった場合、停車中に通過してゆく様子を見ることが出来た。
日の出が早い時期には撮影が可能で、駅構内に架かる歩道橋から狙う鉄チャンが多かった。
8009レが通過し、7分後の5:18に8001は発車する。
他の下り優等列車と同様に、七飯を過ぎると藤城線に入る。
仁山越えの勾配を避けるため、昭和41年に敷設した路線だ。
東の空が藍色に明るくなり、駒ケ岳のシルエットが車窓右手を飾る(秋~冬)
ちょうどこの頃、ダイナープレヤデスでは最初の朝食が開始されようとしている。
8001レでの朝食は6:00から開始され、45分おきに四回転させている。
実際の食事時間は30分間で、続く15分間は片付けと次の準備に充てられているので結構慌ただしい。
トワイライトエクスプレスという名の由来は日本海の夕陽ではあるが、
夜明けの内浦湾でも薄明(=トワイライト)の車窓を楽しむことが出来る。
が、海は進行方向右手に広がるため、個室の窓とは逆側となってしまう。
よってこの景色は、サロン・デュ・ノール、朝食時のダイナープレヤデス、
もしくは各車両の通路側から眺めることになる。
太陽は内浦湾側から昇ってくるので、この時間帯のダイナープレヤデスでの朝食は最高だ。
海辺にある森駅から、内浦湾の対岸にある室蘭までの直線距離は約60kmであるが、
鉄道は湾沿いを半円形に回り込んで進むため、森~東室蘭は倍以上の約140kmを要する。
その間殆どの区間が海沿いを走り、実際のところトワイライトの「ウリ」である日本海沿いよりも景色が良い。
長万部を6:50に通過し、8001レは函館本線から室蘭本線へと入る。
静狩から礼文にかけては険しい海岸であることから、かつては勾配区間の難所であった。
現在では線形が改良されているものの、一瞬ではあるが海沿いから山岳へと趣を変える。
秘境駅として知られる小幌駅通過の様子を見ようとする鉄チャンも多い。
撮影名所のカムイチャシ史跡公園を過ぎると、間もなく洞爺に到着する。
約半日間に渡って締め切られていた乗降ドアが開き、この先は停車駅の度に下車してゆく客の姿がある。
苫小牧を過ぎ、千歳線に入ると旅の終わりは近い。
白石で千歳線から函館本線に入る頃、車掌による最後の案内放送が流される。
続いて「いい日旅立ち」のメロディとガイダンスが流れ、8001レは札幌駅3番線に進入。
道内での停車時間が短いため、乗客にとって牽引機のDD51とは札幌駅にて初対面となる。
従ってホーム先端付近はさながら撮影会の様相を呈していた。
約10分後に手稲へ向けて回送列車が出発。
名残惜しそうに見送りながら、8001での旅が終了した。







★8002★

札幌に到着した8001レは手稲駅に隣接する札幌運転所へと回送され、折り返し運転の準備等が行われた。
札幌運転所での時間は3時間20分程、ダイナープレヤデス乗務員はこの間に休息をとっていたという。
13:36に手稲を発車した回8002レは、札幌駅4番線へ13:49に進入する。
札幌駅では先頭のDD51がホーム端ギリギリに停止するため、乗客たちの記念撮影等に不便であった。
8002でも、また他の駅、他の列車でも同様であるが、JR北海道では機関車の停止位置を意図的にホーム端に設定している。
安全対策の一環である、というもっともらしい言い訳が聞こえてきそうだが、乗客への配慮に欠けているのは事実だ。
また、大阪駅の雰囲気とは異なり、札幌駅では「特別な雰囲気」は感じられなかった。(筆者の感覚だが…)
14:05、札幌駅を後にすると、やがて「いい日旅立ち」のメロディとガイダンスが流される。
続いて車掌による案内放送となるのはいつも通りである。
日々相違があるだろうが、大阪発に比べると平凡で地味な旅立ちだという印象であった。(これも筆者の独断)
A個室にはマネージャーが訪れ、ウェルカムドリンク、ディナー、翌朝の飲み物と食事の確認をする。
ウェルカムドリンクはマネージャーがオーダーをとり、他のクルーに伝達して配達された。
ちなみに飲み物の空食器等は、個室で入口付近の通路に置いておき、回収してもらう。
B寝台でも、同様に各サービスの確認がなされる。
8002ではランチタイムが無く、代わりにティータイムが設定されていた。
15食程の限定スイーツ、飲み物アラカルトといったメニューで、これまた8001と比較すると寂しい。
従ってランチタイムのような高い人気は無いのだが、限定スイーツは開店と同時に売り切れとなるそうだ。
このティータイム、営業時間が僅か1時間20分しかない。
南千歳に停まる頃の14:40に開店し、15:30ラストオーダー、16:00に閉店となる。
改めて思い返すと、意外と希少なサービスだったのかも知れない。
東室蘭を過ぎ、海辺の駅北舟岡あたりからは海岸に接近して走る。
季節と天候によれば、左手車窓に夕陽が沈む内浦湾を眺めることが出来る。
これまた北海道版トワイライトタイムである。
8002の良いところは、暮れゆく時間帯に海沿いを走り続けているところだ。
海沿い区間が長いため、8001と違って季節の限定を受けないのもいい。
その後8002は洞爺に到着し、後続の5012D「北斗12号」に進路を譲るため10分停車。
停車しているホームの反対側には、札幌ターミナル行のDF200牽引の貨3065レも到着する。
洞爺を発車すると、明朝の新津到着まで客扱いの停車は無い。
前述の通り内浦湾沿いの車窓風景は美しく、
トワイライトエクスプレスで一番の「見せ場」とされている日本海沿いに負けるとも劣らない。
そんな車窓が左側に展開し、季節によっては薄明時間帯となる17:30から最初のディナータイムが開始される。
8002のディナータイムは8001と同じく二度あるが、17:30~と19:30~では車窓風景に格差がある。
1730~では約30分間海岸を走り、その後は駒ケ岳、大沼と眺め、五稜郭停車中に食事時間を終える。
トワイライトタイムの車窓を眺めながらの夕食は、素晴らしいの一言に尽きるだろう。
それに対して19:30~では開始後まもなく青函トンネルに突入し、
延々と隧道内の壁を見つつスラブ軌道の轟音を聞かされるという事態になるのだ。
1時間半の食事時間のうち、トンネル内比率が非常に高いという残念なディナーである。
トワイライトエクスプレスに於ける様々な比較の中で、これは最も顕著な例ではないかと思う。
そんな雲泥の差があるディナータイムが切り替わる間に、牽引機はDD51重連からED79に交替。
そして進行方向も転換し、8002では唯一スロネフが最後尾となる区間を走ってゆく。
青森駅構内に進入すると、車窓右手に待機している敦賀区のEF81を見ることが出来た。
青森では機関車がED79からEF81に、車掌もJR北海道から西日本の職員へ交代する。
西日本の車掌が乗り込んでくると、早速車内放送でその旨が伝えられるが、
青森発車後に短い案内があると、その後は明朝まで放送が休止となっていた。
約40分の停車時間の半ば、21:30からダイナープレヤデスではパブタイムが開始される。
8002のパブタイムも微妙だ。
問題は青森停車中から発車する21:53までの約20分と、新青森で4分間の停車時間。
ホームには一般の鉄道利用者、トワイライトエクスプレス見物者などが居る訳で、
もしも食卓がホーム側だった場合、車窓と言うか視線のやりどころに困るのである。
こちらは食事中であるから、窓外に居る皆さんの視線が非常に気になるのだ。
闇の車窓が続く8001のパブタイムに比べ、8002では何とも落ち着かない。
弘前、大館で各1分ずつの運転停車をするが、その目的は不明である。
互いに定時運行であれば、同日大阪発の8001と大久保駅ですれ違う。
停車するのは8001の方で、0:14 30着の0:18発、8002の通過時刻は0:17 30である。
すぐ隣の線を通過するため、相互列車同士の客が手を振り合うようなことは困難であった。
青森~秋田間は大館運転区の機関士が運転し、秋田に0:35着。
ここからは秋田運転区に交代し、0:37に発車する。
酒田でも3分間の運転停車があり、新津運転区の機関士と交代していた。
この先、越後早川でも2分間の運転停車が設定されている。
以前は2021レ「あけぼの」と交換していたようだが、
「あけぼの」が廃止となった平成26年3月ダイヤ改正以降も、8002の運転停車が継続された。
「臨時あけぼの」運転時の措置とも考えられるが、実際のところは不明である。
ゴールデンウイークと年末年始に運行された「臨時あけぼの」9021レは、全く異なったダイヤであった。
もしも2021レ交換を基本に設定された運転停車ならば、何とも虚しいものである。
新津に到着すると、およそ12時間ぶりに乗降ドアが開く。
さすがにこの時間帯だと降車する客も見当たらない。
ここで直江津運輸区の機関士と交代し、6分半停車の後に発車する。
次の長岡では12分停車し、8002では敦賀に次いで二番目に多い停車時間であった。
長岡では、新幹線に乗り換えて東京へ向かう客が珍しくないという。
誰もが終点まで乗りたいと思うのだろうが、どうしても予定が合わないとか
何らかの理由で急きょ帰京しなければならない人などが乗り換えてゆくのだろう。
長岡での12分停車も理由が不明である。
乗る側にしてみれば、数少ない撮影のチャンスだからありがたいのだが。
直江津到着の前、6時過ぎに朝一番の車内放送が行われる。
但し、それは定時運行の場合であり、遅延時などはこの限りではない。
直江津からはJR西日本、富山運輸区の機関士に交代する。
A個室では、前日オーダーしておいたモーニングコーヒーなどが希望時刻に合わせて届けられる。
8002の朝食は、6:45からの開始だ。
終了時刻は8001と同じく9:00、即ち一回転少ない三回転しか供されないのである。
理由は分からない、8002の方が朝食の需要が少ないのだろうか?
すっかり朝の様相である富山、高岡に停車、金沢では金沢列車区の機関士に交代する。
次に停まるのは芦原温泉、約6分の運転停車で後続の4014M『サンダーバード14号』に抜かれていた。
福井を過ぎ、牽引機のEF81たちが所属している敦賀に到着。
ここでは16分間停車し、機関車が交換される。
8002の乗客にとっては最大のイベント?、多くの人たちが進行方向前方に集中する。
前述の通り、トワイライトエクスプレスの大阪~青森を牽引するEF81は敦賀運転センター所属である。
運用内容は別表の通り、3日間に渡って走り続けたEF81に代わり、別のEF81が先頭に立つ。
敦賀を出ると、サロン・デュ・ノールで制服、制帽を貸与しての記念撮影会が催されることが多かったようだ。
車掌によってはジャンケン大会も行われた模様である。
大津京では最後の運転停車で、5分半停まる間に4016M『サンダーバード16号』に進路を譲る。
山科で東海道本線に入り、いよいよラストスパートだ。
京都では3分停車、旅の終焉が近づくせいか、列車内の雰囲気がなんとなく物悲しく変化する。
互いに定時運行であれば、西大路付近に於いて8001レとすれ違う。
複々線区間を単調に進み、吹田付近から新大阪到着を知らせる案内放送が開始される。
新大阪を発車すると、すぐさま最後の案内放送が行われる。
その後、淀川鉄橋上あたりで「いい日旅立ち」のメロディとガイダンスが流される。
それが終わる頃、大阪駅はすぐ目前だ。
大阪駅は3番線に到着する。
車内で知り合った人同士、また乗務員との別れを惜しむ様子があちこちで見られた。
8001の札幌到着よりも、8002の大阪がセンチメンタルな様相と感じるのは気のせいだろうか。
8分半の停車の後、宮原へ向けての回送列車が発車する。
多くの人々から名残惜し気に見送られるが、直後に人波が一斉に消え去る光景も独特である。

















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