THEトロッコ


2013 神隠しの黒部





かつてのトロッコ趣味界は閉鎖的で、それに関わるヒトたちも変人だらけ。
魅力的なトロッコがあったとしても、その軌道については
『言わない・見せない・教えない』が大鉄則だった。
ただでさえ『おタク』とか『ネクラ』などと揶揄される鉄チャン界だが、
その中に於いても超キワモノ、どマイナーな存在だったのがトロッコだ。
そんな暗いトロッコ界に一石を投じ、怒涛の革命を起こした記事。
それが『THEトロッコ』である。
ここでの説明は割愛しよう。
知らない方は、古書店でレイルマガジン創刊号~を探してみてね❤

さて、訳あって(?)連載から手を引いた我々であったが、
今回20数年ぶりに懐かしのタイトルを用いた。
ボクたちはこれまでの期間、トロッコ趣味からは全く遠のいてしまっており、
その間に日本のトロッコは激変、というか大半が失われてしまったのだ。
あれだけたくさんあった鉱山軌道さえも…

しかし、どっこい現役で頑張っている軌道もある。
関西電力黒部上部軌道もそのひとつだ。
この上部軌道、我々が現役の時から存在は知っていたが、
鉱山などとは比較にならないくらい厳しい立入制限があった。
オマケにほぼ全てがトンネルの中で、
唯一山奥の仙人谷橋梁で僅かな区間シャバに出るだけ。
『知られざるナローたち』で共著のS藤君とM弓君は山道を辿って行ったが、
ボクら二人は立山砂防に夢中になっていたこともあって見向きもしなかった。
なので、20世紀はおろか21世紀になってからも一度たりとて見たことがない。

そんな万人をも寄せ付けなかった上部軌道だが、
何年か前から『黒部ルート見学コース』として突如公開された。
通常は非公開となった立山砂防の『体験学習会』と並び、
現代トロッコ趣味の二大巨頭として君臨しているのだ。
尚且つ富山県には伝説のトロッコ、小口川資材運搬軌道も現存する。
これを含め、現代トロッコのセンターを張れる軌道が富山エリアに集中しているのである。

以前からO西君とは『行きたいね~』と言い続けてはいたものの、
若干社交辞令的なニュアンスも含んでいたため実現しなかった。
互いに家庭を持ち、仕事に追われる身ゆえにトロッコまで手が回らないのが正直なところだ。
しかし今年はチト違った。
本当は立山砂防を一瞥し、昔お世話になった方に再会したいというのが主な目的だったが、
シャレで応募した『黒部ルート』に当選してしまったことが追い風となって実現に至ったのである。
ボクにとって立山へ行くのは28年ぶり。
O西君からは聞きそびれたが、彼だって相当久しぶりなはず。
そして『THEトロッコ』で組んだO西+A森でトロッコ旅に出るのも28年ぶりだ。
かつては一世を風靡したトロッココンビではあったが、
現在では浦島太郎状態の平凡なおっさんである。









Vol,1 うなづき町



Vol,2 ジョーブトロッコをよろしく




Vol,3 世界で一番熱い穴



Vol,4 黒部の大腸











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