別府鉄道


撮影日=昭和53年 2月 17日(金)

Vol.2






別府鉄道は、港湾工業地帯にある別府港から山陽本線の土山へ至る土山線と、
高砂線の野口まで行く野口線の二路線がありました。
また、別府港駅から先へも貨物線が延びており、近隣の工場とを結んでいたようです。
野口線では、単行の気動車が一日9往復運行されていました。
貨物輸送がメインの土山線では、貨車と二軸客車で編成される混合列車が走り、
この姿が一種独特の魅力的な光景を見せてくれていたのです。
今回は、その混合列車を撮りたくて訪れました。
土山線の列車は、朝に一往復した後は時間が空き、昼過ぎから夕方にかけて三往復が走ります。
貨物の量は日によって、また時間帯で増減するようで、繋ぐ貨車の長さや内容はまちまち。
二軸客車が全く目立たない長々とした混合列車も良し、貨車が少なくてもまた良し。
貨物が無いと、DLが客車だけを連れて走る、その姿もたまらない魅力がありました。

この日の朝、別府港へ帰る列車は撮ることが出来ましたが、実に中途半端(ーー゛)
その後は別府港機関区、別府港駅で過ごし、いよいよお昼過ぎから撮影本番です!
別府港駅から線路沿いに歩き、夕方まで列車を追いました。











雪晴れの昼下がり。
牽引機はDB201でした。
ちょっと重そう…(・・?
最後尾のハフ7がいい味出していますね!














凸凹の無いシンプルな編成でした…
(いずれも別府港~中野間)











貨車が多く繋がると、客車が目立たなくなるので実に撮りづらいですね。
また小さな二軸客車ですから、尚更です。
沿線は平凡な田園、中途半端に建物とかがあり、条件はかなり悪いです。
特段撮影に適した場所もないし、工夫次第といったところでしょうか…














線路際の参道























なんとも模型チックな編成…












或る意味「程良い長さ」ですね。








ゆっくり、ゆっくりと走り去りました。










お昼一番の列車はDB201の牽引でした。
DB201は昭和40年の三菱重工製。
入換用機みたいなDLですが、本線運用が多かったようです。

別府鉄道には5両のディーゼル機関車が居ました。
小さい順でDC301(22t)、DB201(28t)、DC302(30t)、
DD502(45t)、DD1351(56t)です。
この中でDC301とDD502は動いているところを見たことがありません。


土山行きは有蓋車を10両連ねた少し長めの編成、
帰りの別府港行きは実に絵になる好もしい短編成でした。

午後二番の列車は、再び鳥居の近くで待っていたのですが…















うわっ!
















長いです…






DB201が先頭に立つ列車、ワムを11両、トキを2両繋いでいした。
その後ろにハフ7…





あれっ!?
最後尾にもDLが付いています!













うほほ~い!
後部補機だぁ~!
入換ばかりのDC302が本線に出て来たんですね~(^O^)/









これってDD1351が単機で牽けないんでしょうか?
そういえば車庫で修理していたような…(;^ω^)
 
DD502でもイケそうな気がするのですが…
大きなお世話かしら(?_?)

まあ、後部補機付きなんて珍しいのを見られたんで、ヨシとしましょう!














帰り道…






珍しい(?)後部補機運用を終えたDC302は、単機で別府港へと帰ってゆきました。




この単機を見送り、撮影場所を移動しました。
次は如何なる編成が登場するのか…





この当時のことは覚えていませんが、
場所の選択からして編成には拘っていなかったのかも知れません。
可愛らしい鉄橋を斜め後ろから…
そして、敢えて逆光を選択しています。


牽引するDLと、次位に付くハフを重点に絞っていたようですね。
ハフのシルエットでも狙っていたのかな?



すると…































太陽は雲に隠れちゃいました…


















でも、いい感じ…(^O^)/
まさに理想的な雰囲気!














(^^♪






これもまた、別府鉄道土山線の魅力ですね。
この場所ですと、かえってハフだけの方が似合います。



ネガを観察すると、先出の連写(35mm)はアンダー気味、
次の一枚(ブローニー)は車両に露出を合わせているようです。

う~む…
35mmはシルエット狙い、ブローニーは保険でオーバー気味にセットしたのかしら?
いや、そんなヘンテコなことはしないなぁ…
それにしても両方とも中途半端な気もします。

推測するに、二台ともシルエット狙いだったのでしょう。
列車を待っている間は、おひさまが出ていたはず。
その辺のことはなんとなく覚えています。
で、寸前に曇ってしまった…
35mmは恐らくオートだったのでしょう、
なので曇った分だけ半端なアンダー気味になった。
マミヤの方は、多分大急ぎで露出を変えたのではないかな?
ブローニーはモノクロでも露出がシビアですから、慌てて調整したのかも。
でなければ、この条件で「これらの写真」にはならないと思います。
















土山行き最終列車








どうしても西陽と絡めて撮りたかったのか…
シルエットにもならないこんな場所なのに、逆光で狙っています。
きっと試行錯誤していたのでしょうね。
なんとかして、自分の世界を見つけたかったのかも知れません。




最終列車の土山着発時刻は16:30/17:32です。
折り返しに1時間が設定されているのは貨車の組成?
当時の時刻表を見てみると、まちまちですが…(?_?)





【土山線/別府港→土山】

別府港 7:05 12:18 14:46 16:16
土山 7:19 12:32 15:00 16:30



【土山線/土山→別府港】

土山 7:40 13:40 15:40 17:32
別府港 7:54 13:54 15:54 17:46




朝の一往復だけは時間が少ないですね。
何か理由があるのでしょうが、もはや知る由もありません…




土山行最終を撮影した後、土山駅へと急ぎました。
K君とはここでバイバイし、替わってW君が合流します。
W君は2月12日の出発から、15日の加悦鉄道まで行動を共にしていました。
15日の夜、城崎で別れた後は急行「白兎」と「さんべ」を乗り継いで下関へ。
その後広島で過ごしていたとのことです。
携帯電話など無かった時代、何日か前に交わした待ち合わせが当たり前に実行されていたこと、
現代人が聞いたら、どのような反応を見せるのでしょうか…?











土山駅





線路沿いに歩いて土山駅に着くと、DB201が入換作業中でした。
んっ?! もしかして機回しだけ?
ハフ7のデッキにはW君の姿が見えます。














別府鉄道の土山駅ホームです。
ここから眺めた国鉄のホーム。
上下の貨物列車が行き交います。
待合室から見た別府港行最終列車。
国鉄ホームから別府鉄道乗り場への連絡橋。




















年季の入った案内板。

















誰も居ないホーム…






静まり返った別府鉄道乗り場。
静寂を打ち破るかのように、153系「新快速」が通過してゆきます。
さっき降り始めた雨は、いつしか霙に変わっていました。


別府港行の最終列車はDB201+ハフ7です。
ボクらはこれに乗り、別府港に向かいました。














ハフ7の車内です。
ダブルルーフの天井がいい感じですね。
乗客はボクたちだけでした。
ハフ7のデッキから眺めた列車の後方です。
朝、あれだけ積もっていた雪が随分融けていますね。










二軸客車に乗ることなんて、この時代でも相当貴重な体験だったはずです。
それもオープンデッキのダブルルーフですからね~
博物館に展示してもおかしくない程の古典車両。
そんなモノに乗れるなんて、本当にいい時代でした。

ボクらはハフ7に乗って別府港へ行き、野口線の気動車に乗り換えました。
ですが、別府港駅での様子が撮影されていません。
時刻表によると、別府港到着は17:46です。
乗り換えたのは野口行の最終で、17:58でした。
随分と早い最終列車ですね…(・_・;)










野口線、キハ101の車内です。
いい感じでにぎわっていますね。
土山線とは対照的です。
野口駅に到着したのは18:09でした。
国鉄高砂線の気動車が向こうに見えています。











すっかり暗くなった野口駅。
なんでこんな時刻に寂しい無人駅に来たのか…(?_?)





たま~にしか列車が来ないホーム一面の無人駅ですが、
なんと駅前には立派なビジネスホテルがあったのです。
その名は「加古川ビジネスホテル」。
野口駅前なのに「加古川」を冠しているという怪しいホテルです(笑)
別府港には宿がありませんから、別府鉄道の撮影には最適?

しか~し!
野口線の始発は7:36で、別府港には7:47着。
土山線の始発は7:05発ですから、間に合わないという…(-_-;)

それでも何故か利用しちゃったんですね…
(*_*;










明日に備えて早く寝ろ~!








2月18日の別府鉄道につづく~(^^♪







ペンタックスMX




ペンタックスSP-F




マミヤC330 プロフェッショナルf












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