銚子電気鉄道

昭和53年 1月31日(火)






銚子電鉄は『朝と夕方が楽しい』と知ったのが、この頃でした。
その理由は…
ハフの増結がある、
銚子から貨車の搬入がある、
…などです(^_-)-☆

当時の車両は、電車がデハ101、201、301、501の4両、
あとは客車のハフ1と2、そして電気機関車デキ3という面々でした。
朝夕の多客時間帯には、これらの車両が総動員されるのです。
デハがハフを牽く、デハの二連、デハ+ハフ+デハ等々、
とにかく楽しい編成が目白押しでした\(^o^)/

これらの珍編成には、次のような訳がありました。
銚子電鉄の銚子駅は、機回し線が無い単線行き止まり。
従って電車が客車や貨車を牽く列車の場合、
折り返しの際に問題が発生します。
仮にデハがハフを牽引し、銚子駅へ向かっていたとしましょう。
銚子駅は機回し線の無い単線ですから、
折り返しの列車はハフを先頭にした推進になってしまいますね。
当然ハフには運転台がありませんから、この運転は不可能です。
これを解決するため、仲ノ町で最後部にデハを連結。
デハ+ハフ+デハという編成で仲ノ町~銚子間を往復します。
外川行き列車が仲ノ町に着くと、後のデハを解放。
デハ+ハフとなって外川へと向かうのでした。
牽引するデハが交代する訳ですね。
更なる乗客が見込まれる場合、そのまま三連で行くこともあったと思います。

一番の見どころはハフの運用が終わる時でした。
デハ+ハフの後ろにはデハではなくて、デキ3が連結されるのです。
ハフを入庫させる関連なのでしょうが、
とにかく日に一度か二度しか見られない、素晴らしい場面でしたね。
これらの運行パターンは基本形であり、
他にも様々な編成を見ることが出来ました。

夕方はこの逆。
外川からデハ単行が仲ノ町に到着すると、先頭にデキ+ハフが連結されます。
この珍編成で、帰宅を急ぐ人たちが待つ銚子駅へと向かいました。
銚子~仲ノ町間は撮影しやすい場所が無く、苦労した覚えがあります。
残っている写真を見ても平凡なものばかり…(T_T)/~~~
考えを変え、ラッシュのホームに入ってくるデキの姿などを狙えば良かったかも。
『走り』に拘ることもなかったなぁ~
かな~り後悔…((+_+))

貨車が絡む編成も面白かったですね~(^O^)/
貨車は銚子駅からデハに連結され、仲ノ町駅で解放されていました。
僅か500mの区間ですが、電車が貨車を牽引する姿は当時でも貴重でしたね。
仲ノ町駅で貨車を切り離した電車は外川に向けて出発。
そして名物電機、デキ3の登場です!
貨車を牽き、隣接するヤマサ醤油工場の側線へと誘導します。

ヤマサ醤油の工場には、多くの線路が引き込まれていましたが、
その大半は国鉄銚子駅から枝分かれしていました。
ヤマサ醤油は専用のDLを2両保有し、
貨車の入換作業、銚子駅での受け渡しなどに活躍していました。
それとは別に仲ノ町駅から接続する引き込み線が存在したのです。
銚子電鉄の線路を経由することから、
必然的にこのような運転方法が発生したのでしょうね。

貨車は朝早く、銚子から送り込まれていました。
銚子駅での様子を観察したことはありませんが、
恐らくDE10が入換作業で銚子電鉄ホーム線路に貨車を入れ、
外川から到着した電車に連結されて仲ノ町へ向かったものと思われます。
銚子へ向かう貨車の動きは見たことがありません。
夜間か早朝に行われていたのでしょうか…?
今となっては知る由もありません…(*_*)












朝の仲ノ町駅。
デキ3が出番を待っていました。
銚子から来たデハ301は、無蓋車を1両連れていました。
この日の入換担当はデハ101でした。
この頃の101は状態が悪く、運用から外れていたと記憶しています。
ヤマサ醤油の引き込み線へと向かいます。









朝陽を浴びる珍編成。
デハ301+ハフ1+デキ3  《仲ノ町~銚子間》














これがヤマサ醤油のDLです。
前面はDC251、キャブにはNo.1のナンバープレート。
冬の朝陽が射す仲ノ町駅。
デハ301+ハフ1+デハ501の三連。
前後のデハにはそれぞれ運転士が乗り、
タイミングを合わせながら加減速していました。















木漏れ日
デハ301  《観音~本銚子間》
















木々のトンネル
デハ201+ハフ2  《本銚子~観音間》













本銚子駅は松林に囲まれていました。
外川行きが来ました。
幼い日に見た電車のこと、覚えているかな…?
一番のお気に入りだったデハ201。
おへそライトと無骨な車体が魅力でした。

















海風の曲松
デハ501  《本銚子~笠上黒生間》















中間の交換駅、笠上黒生です。
外川行きのデハ201が到着しました。
僚友のデハ501と離合します。
駅員さんがタブレット交換をしていますね。
小さな無人駅、西海鹿島。
デハ501は好みではなく、運用に入っていると少しガッカリでした。
来てもシャッターを押さなかった時もあったっけ…

















潮騒の路
デハ201+ハフ2













君ヶ浜のカーブ。
午後になると、501に替わって301が走り始めました。



















犬吠埼絶景
デハ201  《君ヶ浜~犬吠間》














望洋電車
デハ201  《犬吠~外川間》














彼方の海
デハ201  《君ヶ浜~犬吠間》















着物姿のおばさま方、何処かへお出掛けでしょうか?
激しく揺れる車内、車掌さんも大変でしたね…
超時代的な顔合わせ。
当時では日常でしたが(*_*)
陽が西に傾いてきました。
間もなく出番がやって来ます…
















傍らの電車道
デキ3+ハフ2+デハ201  《仲ノ町~銚子間》
















帰り路
デハ201+ハフ2+デキ3  《銚子~仲ノ町間》








銚子~仲ノ町間をゆくデキ3の雄姿!
朝は時間と共に明るくなってゆきますので良いのですが、
夕方は陽が沈むと一気に暗くなり、撮影困難となってきます。
なんで陽の短い冬場ばかりに撮ったんだろう…
夏なら楽に撮影出来たでしょうにねぇ(-_-メ)

それにしても素晴らしい時代でした。
銚子電鉄が最後の輝きを見せていた頃。
この年の後半から、それは崩壊してしまうのですが…






【1978年 1月31日撮影】







本銚子駅 当時17歳8ヶ月のボク…









ペンタックスSP-F













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