奥多摩工業
曵鉄 氷川線
曵鉄 三ツ又線
三ツ又電車線
日原電車線



撮影日=昭和53年 1月14日(金)

Vol.1





昭和52年夏、日原鉱業所で見たTLのヤード。
これがずっと気になっていて…
なにぶん鉱山施設ゆえに気軽には立ち入れないし、
まさかフェンスを越えて不法侵入する訳にもゆかないし…
なので正攻法で、氷川工場の時と同様に見学許可の申請をしました。
経緯はまったく記憶がありませんが、無事に許可が下りたのでしょう、
実際に施設へ立ち入っているのですから(笑)

奥多摩工業氷川工場が開設された当時、
石灰原石は氷川鉱山の日原鉱業所周辺で採掘されていました。
その後、日原周辺の鉱床が掘り尽くされると、
更に山奥の三ツ又鉱業所での採掘が始められました。
訪問当時は三ツ又より先にある天祖採掘場
にて採掘がおこなわれ、
天祖~三ツ又間はベルトコンベアで、
三ツ又~日原間は曳鉄三ツ又線、
そして日原~氷川間を曳鉄氷川線にて運搬していました。
要するに天祖で採掘された石灰石は、氷川工場までの間に
三ツ又、日原で中継されていたということです。
なんだか凄~く手間がかかっているようにも思えるのですが…

日原鉱業所周辺には採掘線の軌道が多く存在しました。
その一部が『日原電車線』と呼ばれるものです。
TL牽引のグランビー鉱車で石灰石を運搬し、
日原鉱業所で曳鉄氷川線に積み換えて氷川工場へ送っていたのです。
その役目は随分前に終えていたようで、
近年では鉱山施設や坑道の点検のために軌道を維持していたようです。
だから、ごく稀に動くこともあるとか…
残念ながら動く姿を見ることは叶いませんでしたが…

曳鉄三ツ又線の鉱車は、氷川線のものよりやや大型でした。
システムそのものは大差が無いのですが、
三ツ又線の施設は山の中腹にあり、面積を広く取れないせいか
ややこじんまりとした構内だったという印象があります。
曳鉄三ツ又線の複線に並行し、もう一本の軌道がありました。
この軌道は三ツ又電車線と称し、
TL牽引によって日原~三ツ又の資材輸送を担っています。
曳鉄竣工前は、このTLがグランビー鉱車を牽引していたそうです。

日原鉱業所では電車線と三ツ又線の施設を見学できましたが、
当時の取材力が稚拙で、きちんとした記録が出来ていません。
写真の点数も少なく、今思うと
せっかくの機会なのに勿体ないなぁ…
という後悔の念が絶えません。









































前回撮れなかった日原川のアーチ橋です。
なかなか立派な鉄橋ですね。


















付近は山歩きの道が整備されています。
この吊り橋もハイキングの人たちが利用するのかな?

































登山道?から俯瞰してみました。

















さあ!
いよいよ日原鉱業所に立入ます。
勿論許可取得済みですよ~♪


















曳鉄三ツ又線です。
氷川線と比較すると鉱車が大型です。
クランプ装置の形状も異なっているみたい…



















三ツ又電車線のTLです。
曳鉄と共用のトンネルを並行しています。



















再び曳鉄三ツ又線の日原構内です。
ここでは鉱車の修理、整備が行われているようです。


















構内には架線が張られています。
資材運搬にTLが使われているのでしょう。
動く姿は見られませんでしたが…




















トンネル内のTLと鉱車。



















三ツ又電車線のダンプガイド。
グランビー鉱車を傾ける装置ですね。




















TLの後ろ姿と曳鉄三ツ又線の鉱車。


















ここからは日原電車線です。
曳鉄三ツ又線とはかなりの高低差があります。
何日か前に雪が降ったようですね…
































『E81』というナンバーが付いていたTL。
相当年季が入った機関車でした。



















坑道内を歩いてゆくと積込場のような処が…






















ひっそりと出番を待つ僚友。
























E81には社紋プレートが付いています。
お正月なので注連飾りも\(^o^)/
未だ現役の証し!
従業員の方々の愛情を感じます。



















坑内はあちこちで枝分かれしていました。
あまり探索すると遭難する…?



















車庫には比較的新しいTLが停まっていました。
ここは道路からは見えない角度です…(*^^)v

















電車線のアンダートラス鉄橋が残されていました。
ここをTLが行き来していたとは…
見たかったなぁ…






























朽ちかけた看板たち。
入坑確認?の札は全て「休職?」になっています。
「電車線・鉱車に注意」は辛うじて文字が見えるくらい。


















案内をしていただいた奥多摩工業の方と。
ボクは左、右は鉄友のW君です。
お名前は失念しましたが、ありがとうございました。
<m(__)m>


















前回も掲載した謎の坑道です。
天井がこんなに高いんですよ~
怪しげですね~




























最後に曳鉄氷川線を撮影。
鉱車に作業員が添乗していますね。
あの吊り橋に興味津々…
(^.^)/~~~






























怖~い吊り橋から見下ろしました。
ホント、東京都じゃないみたい…

【1978年 1月14日撮影】







曳鉄氷川線は現在も安泰のようです。
しかし、三ツ又線はベルトコンベア化されたと風の便りに聞きました。
ホントかどうかは定かではありませんが…
すると三ツ又電車線も…?
(*_*)
最近になって日原周辺のことが気になり、
ググってみたところTLの1両が保存されたことを知りました。
ボクが確認しただけでも4両あった訳ですが、
残りは解体されてしまったのでしょうか…?










ペンタックスSP-F










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